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種種
「種種〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
種種の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「厨房日記」より 著者:横光利一
売っていると云う。梶はこの経済上のからくりに興味を感じたのでハンガリア人を使って
種種の方面から験べてみた。すると、そのマッチ一箇の値段の中から意外にも複雑なヨー....
「旅愁」より 著者:横光利一
子もこちらの考えたほどのことは考えた上に、なお婦人として心得るべき特別の事情も、
種種考え直して苦しんでいることなど、およそ定っていることであった。
「つまり、そ....
「産屋物語」より 著者:与謝野晶子
断でなくて、かえって男に下すのが正しくはないかなどと考えます。女から見れば、男は
種種の事に関係りながらその忙しい中で断えず醜業婦などに手を出す。世の中の男で女に....
「姑と嫁について」より 著者:与謝野晶子
になってお仕合せです」と嫁の友人から祝を述べるほどのことである。固より姑根性には
種種あって某工学士の母の実際はどうであるか知らないが、最も極端な例に引かれる残忍....
「平塚さんと私の論争」より 著者:与謝野晶子
市場に置こうとすることは、婦人自身の不幸はいうまでもありませんが、国家にとっても
種種なる意味で大損失でなければなりません」といわれました。私は平塚さんが現実のみ....
「夜の靴」より 著者:横光利一
外にどこにもなかったからだった。その他の土地の田畑には、稲田は広くつづいても中に
種種雑多なものが眼についたが、穂波を揃えた稲ばかりというところはここだけだった。....
「女子の独立自営」より 著者:与謝野晶子
私どもの心には「何故に」と叫ばざるを得ません。論ずる人の考では欧米の婦人の一部に
種種の事情から結婚を厭う風のあるのを見て日本婦人を戒めるつもりでしょうが、それは....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
発行した東《ひがし》道太郎君の『原色日本海藻図譜』にはナガミルの条下に「邦産十数
種種のミル中最も長大なものであって全長四十五尺に達するものもある」、「九州より千....
「落日の光景」より 著者:外村繁
なくその道を歩いて行く。道の両側には商店が軒を接して並んでいる。いずれの店頭にも
種種雑多な商品が、豊富に積まれている。しかしどこの商店街でも見られる、中小の小売....
「水面に浮んだ女」より 著者:田中貢太郎
その夜川へ身を投げて死んでしまった。隣の者が驚いてその家へ往って見ると、竈の中で
種種の書類や道具でも焼いたのか、その中に箱の燃えさしや紙の燃えさしが散らばってい....
「港の妖婦」より 著者:田中貢太郎
には緑色のカーテンが垂れていた。その窓の下にも真紅な天鵞絨を張った寝椅子をはじめ
種種の椅子が※に置いてあった。 謙作はそれを見ると外套を脱がなくてはすまないよ....
「神仙河野久」より 著者:田中貢太郎
し、その法を修めんには、神にも拝謁のできぬものにはあらざるべしと決心し、これより
種種の善行を志し、捨身決心して犬鳴山に籠り大行をはじめ」たのであった。犬鳴山の行....
「水魔」より 著者:田中貢太郎
、今は皆禁止せられて、僅かに残った家は、造花屋と云う怪しい看板をかけて店の小棚に
種種の造花を並べていた。 山西の往こうとする処は、路次から路次に曲って二三軒往....
「宇賀長者物語」より 著者:田中貢太郎
陽炎が処どころに立ち昇っておりました。そこには潮風に枝葉を吹き撓められた磯馴松が
種種な恰好をして生えておりました。その中のある松の下には、海の水を入れた塩汲桶を....
「性に眼覚める頃」より 著者:室生犀星
だけでも非常な悪いことのような気がした。しまいには、ひとりで顔が蒼くなるほど煩く
種種なことを考え出して胸が酸っぱくなって一時も早く帰らなければならないような気が....