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稲妻形
「稲妻形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稲妻形の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
ったと見えて、坑夫の仕事をしているところは、この段々の下へ来て、初めて見た。――
稲妻形《いなずまがた》に段々を下りるときは、むやみに下りるばかりで、いくら下りて....
「明暗」より 著者:夏目漱石
りて来た。黄葉《こうよう》と枯枝の隙間《すきま》を動いてくる彼らの路《みち》は、
稲妻形《いなずまがた》に林の裡《うち》を抜けられるように、また比較的急な勾配《こ....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
チラッと瓶の角が光ってみえた。――ガラ、ガラッと、ウイスキーの空瓶が二、三カ所に
稲妻形に打ち当って、棚から通路に力一杯に投げ出された。皆は頭だけをその方に向けて....
「旅愁」より 著者:横光利一
力の不足に刻印を打つように矢代には強く感じられた。ときどき一寸ほどの幅の割れ目が
稲妻形に氷の面を走っていた。その割れ目にピッケルをひっかけ、遅れつつ呼吸を途切ら....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
ている処は、いましがた一度通ったのである。 そこを通って、両方の塀の間を、鈍い
稲妻形に畝って、狭い四角から坂の上へ、にょい、と皺面を出した…… 坂下の下界の....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
る新吉の心にもこの憤りが頭を擡げた。キャフェの興奮が消えて来た新吉の青ざめた眼に
稲妻形に曲るいくつもの横町が映った。糸の切れた緋威しの鎧が聖アウガスチンの龕に寄....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
をちかぢかと見せて貰った。そこなどは色もすっかり剥《は》げている上、大きな亀裂が
稲妻形にできている部分で、そういうところもそっくりその儘《まま》に模写しているの....
「高千穂に思う」より 著者:豊島与志雄
は分るが、それも山肌一杯に拡がっている。つまり、まっすぐ一直線には登り得られず、
稲妻形に登ってゆくのだ。或る所は真赤であり、或る所は黄色みを帯びている。 中途....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
そして二人は出て行った。
第五編 暗がりの追跡に無言の一組
一 計略の
稲妻形
読者がこれから読まんとするページのために、またずっと後になって読者が....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
にまた左の方には、マイュの下水道の一脈が、既に入り口近くからフォーク形に錯雑し、
稲妻形に続いていて、各方面に交差し分岐してるルーヴルの大流出口に達している。最後....
「水垢を凝視す」より 著者:佐藤垢石
ても河原寄りを溯る。なるべく崖寄りを避けたがる。だから、鮎の上った道筋を見ると、
稲妻形即ち千鳥形をしているのが普通である。そして、その通路の水際の石に水垢がつい....
「指導者としての寺田先生」より 著者:中谷宇吉郎
ったありふれた感応起電機を廻《まわ》してパチパチ長い火花を飛ばせながら、いわゆる
稲妻形に折れ曲《まが》るその火花の形を飽《あ》かず眺めておられたことがあったそう....