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稲荷鮨
「稲荷鮨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稲荷鮨の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
しいものがあったら、遠慮なくいくらでもそうお云いよ」 初午《はつうま》の日には
稲荷鮨《いなりずし》など取寄せて、母子のような寛《くつろ》ぎ方で食べたりした。 ....
「道草」より 著者:夏目漱石
で弁当を食った。そうして油揚《あぶらげ》の胴を干瓢《かんぴょう》で結《いわ》えた
稲荷鮨《いなりずし》の恰好《かっこう》に似たものを、上から下へ落した。彼は勾欄《....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
の方へ曲ろうとする角のあたりに陣取って青い顔の亭主と肥った内儀とが互に片肌抜で、
稲荷鮨を漬けたり、海苔巻を作ったりした。貧しい家の児が新調の単衣を着て何か物を配....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
切れにする襤褸を買う者、古靴を値切る者、古帽子、古洋燈、講談物の古本を冷かす者、
稲荷鮨を頬張る者、玉乗の見世物の前にぽかんと立つ者、人さま/″\物さま/″\の限....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
見と辻占売り おさらい 常磐津、清元、歌沢 お会式 菊と紅葉 酉の市 鍋焼饂飩と
稲荷鮨 からッ風 納豆と朝湯 歳の市 大晦日 見附と御門 江戸芸者と踊子 人情本....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
参りとうございます」 夜店の茶飯屋で一人はあんかけ豆腐で茶飯をかき込む、一人は
稲荷鮨《いなりずし》を腹いっぱい詰め込んで、 「さて、旦那、旦那も一ついかがでご....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
流行った位だ。 売声で今一つ明治前に名高かったのは、十軒店の治郎公というのが、
稲荷鮨を夜売り歩いた。この治郎公は爺でしたが、声が馬鹿に好い、粋な喉でしたので大....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
十軒店にも治郎公なぞと呼んでいた鮨屋が、これも美い声で淫猥な唄ばかり歌って、好く
稲荷鮨を売りに来たものだった。 四 明治も十年頃になると物売りも....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
》ぐ音をさせたり、 「いなりさん――」 と、十軒店《じっけんだな》の治郎さんの、
稲荷鮨《いなりずし》が流してくるようにならなければ、おでんやや、蠑螺《さざい》の....