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「稼ぎ人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

稼ぎ人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
出て暮れ方に戻れば、きっと幾らかの銭を持って来るので、年をとった叔父や叔母はよい稼ぎ人の戻ったのを、むしろ喜んでいるくらいであった。 これがおれの運かもしれな....
機関車」より 著者:佐左木俊郎
、彼女の二十四時間であったから。 彼女は逗留客としての一面を生活し、同時に、出稼ぎ人としての滞在をしているのであった。彼女の温泉場への第一の目的は、都会の場末....
街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
イ只今――」 これだけの口上を聞けば、浅草に来る人々にバラック住居《ずまい》の稼ぎ人が多勢居ることがわかるであろう。そんな連中が、こんな品物に釣られる程度に東....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んが可哀そうですからね」と、お登久は同情するように云った。「妹はまだ子供ですし、稼ぎ人にいなくなられちゃあ、どうにもしようがないんです」 「そりゃあ気の毒だね。....
婦系図」より 著者:泉鏡花
、もう思召ったらないんですからね。 それでも大事にして置かないと、院長は家中の稼ぎ人で、すっかり経済を引受けてるんだわ。お庇様で一番末の妹の九ツになるのさえ、....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
は一人でも大切にしている時節でしたから、庄之助にはなんの咎めも無くて済みました。稼ぎ人に逃げられたお幸は、桜井の屋敷から内々の扶助をうけていたとか云います。 ....
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
と、地主の家の時計がじゃ/\ちんちんと鳴るのは最早十二時でございます。此の長家は稼ぎ人が多いゆえ、昼間の疲れで何処も彼もぐっすり寝入り、一際寂といたしました。す....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
この犬一ぴきが、彼等――老いぼれた不具者と頑是ない幼児――にとっては、ただ一人の稼ぎ人、ただ一人の友達、ただ一人の相談相手、杖とも柱ともたのむ、ただ一つの頼りな....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
こで変死を遂げたらしいんです。相手の英国人はどうしたか判らない。なにしろ、大事の稼ぎ人を殺したんですから、抱え主は気違いのようになって騒ぐ。町じゅうの評判もまた....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
彼の得意筋は石油五合一升と買いおきの出来る余裕のある家ではなく、その日暮しの日雇稼ぎ人か工場通いの労働者などを相手の商売であったのだから、ぜひ毎日毎日時間を決め....
三甚内」より 著者:国枝史郎
ないと見えて、こんな嘆息を洩らすのであった。 「いや昔は面白かった。それに立派な稼ぎ人もいた。庄司甚内、飛沢甚内、俺を加えて三甚内よ。江戸中の心胆を寒からせたも....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
すると其の隣りに明き樽買いの岩田屋久八と申し、此の人は年三十九歳になる独身もので稼ぎ人でございます。多助も稼ぎ人なれば互に睦まじく、毎日休む処が極って居ります。....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
彼は愉快でたまらなかった。彼は相手の人間が、平八であるとは知らなかった。彼と同じ稼ぎ人が、彼と同じ目的のもとに、忍び込んでいるものと推量した。そうしてそやつは忍....
蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
なるのは当り前だなんぞと言う人もありますけれど、なにしろ自分はよいよいになって、稼ぎ人のむすめに死なれたのですから、まったく気の毒ですよ。むすめの名ですか。娘は....
諦めている子供たち」より 著者:坂口安吾
特に冬向きのものに多い。北海道の「鮭ずし」は元来新潟のもので(北海道は新潟人の出稼ぎ人が最も多く土着した)似たような「鮎ずし」もあり、海の魚も川の魚も美味だが、....