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稼業
「稼業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
稼業の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ずかしげにまたたかせながら、いろいろと慰めた。
「何ねこう老いぼれちゃ、こんな
稼業《かぎょう》をやってるがてんでうそなれど、事務長さんとボンスン(水夫長)とが....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
やらかそう。ナニ遠慮しなさんな、ちと相談もあるんだからよ。はて、いいわな。おめえ
稼業にも似合わねえ。ばかめ、こんな爺さんを掴《つか》めえて、剣突《けんつく》もす....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
井は、主税を見向きもしないで、悠々とした調子になり、 「そりゃ可い事をした、泥水
稼業を留めたのは芽出度い。で、どこに居る、当時は………よ?」 「私はよく存じませ....
「妖術」より 著者:泉鏡花
いの、疑わしいの、嘘言だ、と云った処で仕方がない。まさか、とは考えるが、さて人の
稼業である。此方から推着けに、あれそれとも極められないから、とにかく、不承々々に....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
測ニ俟ツ外ナキラシイ。「頭ヲ使ウナ、精神ノ安静ハ薬以上ニ効果アリ」ト言ワル、頭脳
稼業ノ吾等ニハ痛イコトナリ。 一月十四日 ◯敵機、一昨夜も昨夜も来ず。どうしや....
「海底大陸」より 著者:海野十三
いったように夢の国、じつは死の国に横づけになるかもしれないのだ。 「ああ、船乗り
稼業もこのへんでおしまいだ」 と、クーパー事務長は、見えぬ眼をまたたいた。日ご....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ないのだから。――聞きねえ、親なり、叔父なり、師匠なり、恩人なりという、……私が
稼業じゃ江戸で一番、日本中の家元の大黒柱と云う、少兀の苦い面した阿父がある。 ....
「第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
たのがあったのを、届くだけの借金で、とにかく手附ぐらいな処で、話を着けて引受けて
稼業をした。 まず引掛の昼夜帯が一つ鳴って〆った姿。わざと短い煙管で、真新しい....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
、町も村も引っぷるって誰が角兵衛に取合おう。あわれ人の中のぼうふらのような忙しい
稼業の児たち、今日はおのずから閑なのである。 二人は此処でも後になり先になり、....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
彼はむかしその家に住んでいた。土地の百姓のむすめを妻に迎えると、この男は車大工を
稼業にして暮しをたてていた。夫婦そろってなかなかの稼ぎ屋だったので、世帯をもって....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
だ一人で訪ねて来て、目の前に斜に坐っている極彩色に、連を聞いたも変ですが、先方の
稼業が
稼業ですから。……なぞといって、まじくないながら、とつおいつのうち、お絹が....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
追出されやあがって、王子へ行きますとね、一体さきさき渡がついてるだけにこちとらの
稼業はつきあいが難かしゅうがす、それだのにしばらく仕事をさしてもらおうというその....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
たのは、此家で。」 「はあ、あの病気の発りましたのは内だったんですけれど、こんな
稼業でしょう、少しは身体を動かしてもいいと、お医師がおっしゃいましてから、すぐ川....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
込んで咄した。 この結論に達するまでの理路は極めて井然としていたが、ツマリ泥水
稼業のものが素人よりは勝っているというが結論であるから、女の看方について根本の立....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
のお返しだったのである。 一方商売の方はいよいよいけなくなっていた。足が元手の
稼業なので、人力車の代金がかさみ、この支払いが苦の種になった。借金で首が回らず、....