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「稽古本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

稽古本の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
チャンス」より 著者:太宰治
いらしてたわね。」 「そう。」 「あの時、あたしはあなたの傍にいたのよ。あなたは稽古本《けいこぼん》なんか出して、何だか印をつけたりして、きざだったわね。お稽古....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
寺町の竹本|組昇《そしょう》に月謝五円で弟子入《でしい》りし二ツ井戸の天牛書店で稽古本の古いのを漁《あさ》って、毎日ぶらりと出掛けた。商売に身をいれるといっても....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
長の驥尾《きび》に附して、日本橋筋五丁目の裏長屋に住む浄瑠璃本写本師、毛利金助に稽古本を註文したりなどした。 お君は金助のひとり娘だった。金助は朝起きぬけから....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
が謡の稽古でもして、熊坂や船弁慶を唸るのならば格別の不思議もないのですが、清元の稽古本にむかっておかる勘平や権八小紫を歌うことになると、どうもそこが妙なことにな....
わが町」より 著者:織田作之助
下寺町で稽古場をひらいている竹本組昇に月謝五円で弟子入りし、二ツ井戸の天牛書店で稽古本の古いのを漁って、毎日ぶらりと出掛けた。柳吉は商売に身を入れるといっても、....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
の一人は相生町の家の娘だ。清元の師匠のもとからの帰りででもあると見えて、二人とも稽古本を小脇にかかえながら橋を渡って来る。ちょうど半蔵が郷里の馬籠の家に残して置....
縮図」より 著者:徳田秋声
はなかった。それがすむと小唄を四ツ五ツつけてもらうことにしていた。均平もそれらの稽古本を開いて見ることもあり、古い江戸の匂いをかぐような気がして、民衆の間から産....
マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
順序として貞奴の早いころの生活についてすこし書かなければならない。わたしがまだ稽古本《けいこぼん》のはいったつばくろぐちを抱えて、大門通《おおもんどおり》を住....
」より 著者:織田作之助
た。なお校長の驥尾に附して、日本橋五丁目の裏長屋に住む浄瑠璃本写本師、毛利金助に稽古本を註文したりなどした。 お君は金助のひとり娘だった。金助は朝起きぬけから....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
。 そうした節制のない家庭だから、その姉さんたちは赤いしごきを〆めて、三味線の稽古本など持って、遊芸を習いに通ったりしていたが、遂に家はつぶれ、私の中学時代に....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
説類の小売店は即ち絵双紙屋で、その名のごとくに絵双紙を売る傍らに小説類や浄瑠璃の稽古本を売っていたのである。したがって、絵双紙の方が主であるから、どこの店にも一....
妾宅」より 著者:永井荷風
一時《いちじ》は鳴《なら》した腕。芸には達者な代り、全くの無筆《むひつ》である。稽古本《けいこぼん》で見馴れた仮名より外には何にも読めない明盲目《あきめくら》で....
夏の町」より 著者:永井荷風
立つ。其処には舟底枕《ふなぞこまくら》がひっくり返っている。其処には貸本の小説や稽古本《けいこぼん》が投出してある。寵愛の小猫が鈴を鳴しながら梯子段《はしごだん....
すみだ川」より 著者:永井荷風
え、樫《かし》の撥《ばち》で時々前髪のあたりをかきながら、掛声をかけては弾くと、稽古本《けいこぼん》を広げた桐《きり》の小机を中にして此方《こなた》には三十前後....