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穂
「穂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
穂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
である。
犬は、新しい餌食を見ると、一瞬のいとまもなく、あらしに吹かれて飛ぶ稲
穂のように、八方から次郎へ飛びかかった。たくましい黒犬が、太刀《たち》の上をおど....
「河童」より 著者:芥川竜之介
人並みにリュック・サックを背負い、あの上高地《かみこうち》の温泉|宿《やど》から
穂高山《ほたかやま》へ登ろうとしました。
穂高山へ登るのには御承知のとおり梓川《あ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
高粱が、まるで暴風雨《あらし》にでも遇ったようにゆすぶれたり、そのゆすぶれている
穂の先に、銅《あかがね》のような太陽が懸っていたりした事は、不思議なくらいはっき....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
ではまだ百舌鳥《もず》がなき、鵯《ひよどり》がなき、畑の玉蜀黍《とうもろこし》の
穂が出て、薄紫の豆の花が葉のかげにほのめいているが、ここはもうさながらの冬のけし....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
る、うきよの月にかかる雲なし」と詠じた、その時の満足が帰って来たのである。
赤
穂《あこう》の城を退去して以来、二年に近い月日を、如何《いか》に彼は焦慮と画策《....
「白」より 著者:芥川竜之介
学校の生徒三名は七日《なのか》(八月)上高地《かみこうち》の温泉へ着した。一行は
穂高山《ほたかやま》と槍《やり》ヶ|岳《たけ》との間《あいだ》に途《みち》を失い....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
たぎり、睫毛《まつげ》一つ動かさなかった。……
将軍に従った軍参謀の一人、――
穂積《ほづみ》中佐《ちゅうさ》は鞍《くら》の上に、春寒《しゅんかん》の曠野《こう....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
ても、この海辺《うみべ》に多い弘法麦《こうぼうむぎ》だけは疎《まば》らに砂の上に
穂《ほ》を垂れていた。その
穂は僕等の来た時にはまだすっかり出揃《でそろ》わなかっ....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
てしまう。今度見えるのは家の後ろの畠《はたけ》。畠には四十に近い女が一人せっせと
穂麦を刈り干している。………
20
長方形の窓を覗《のぞ》いている「....
「或る女」より 著者:有島武郎
ポを取って高くなり低くなりする黒い波濤《はとう》のかなたには、さらに黒ずんだ波の
穂が果てしもなく連なっていた。船は思ったより激しく動揺していた。赤いガラスをはめ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
陸地に近づくと波はなお怒る。鬣を風になびかして暴れる野馬のように、波頭は波の
穂になり、波の
穂は飛沫になり、飛沫はしぶきとくずれ込む。 その猛烈な力を感じて....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
さんは僕等をふり返って言った。 「この別荘の主人は肺病患者だよ。」 僕等は芒の
穂を出した中を「悠々荘」の後ろへ廻って見た。そこにはもう赤錆のふいた亜鉛葺の納屋....
「親子」より 著者:有島武郎
だけの道は尽くしたつもりでございますが、それを信じていただけなければお話には継ぎ
穂の出ようがありませんです。……じゃ早田君、君のことは十分申し上げておいたから、....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
予は物覚えよく、一を聞て二三は知るほどなりしゆえ、伯父はなお身を入れてこの子こそ
穂垂という家の苗字を世に知らせ、またその生国としてこの地の名をも挙るものなれとて....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
隅には、機織り機械から下ろしたばかりの麻と毛とを交ぜたたくさんの織物や、玉蜀黍の
穂が置いてあった。乾し林檎と挑とが紐でつないで、にぎやかに花づなのように壁につる....