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積もり
「積もり〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
積もりの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
たる白銅あり。あるいはしぶしぶ捨てられたる五厘もあり。ここの一銭、かしこの二銭、
積もりて十六銭五厘とぞなりにける。 美人は片すみにありて、応募の最終なりき。隗....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
年は今朝から雪になりましたが、そのみぎりは、忘れもしません、前日雪が降りました。
積もり方は、もっと多かったのでございます。――二時ごろに、目の覚めますような御婦....
「座右第一品」より 著者:上村松園
綴じて作った帳面ですから、形も不整いで大小があり厚薄がありますが、何十年かの間に
積もり積って重ねましたら、二、三尺ぐらいの高さにもなるほどの嵩になって居ます。 ....
「富士」より 著者:岡本かの子
その幅によりこれは只事でないと感じ取った翁の胸には、福慈岳の高さに就ても、その心
積もりに相当しんにゅうをかけたものを用意していた。翁はそれを目度《めど》に移して....
「くろん坊」より 著者:岡本綺堂
か深くなって、土地なれぬ人にはとても歩かれぬようになります。」 「雪はどのくらい
積もります。」 「年によると、一|丈も積もることがあります。」 「一丈……。」と....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
、何でもよいから先へ行け」 相手になっていては面倒だと、市之助はその場をはずす
積もりらしい、酔いにまぎらせてよろけながら席を起《た》つと、お花は彼を囲うように....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
上にちゃんと坐らせた。綾衣はおとなしくして湯を飲んでいた。 「花魁。いつの間にか
積もりんしたね」 座敷の櫺子窓《れんじまど》をあけて外を眺めていた綾鶴が、中の....
「牛女」より 著者:小川未明
ると、牛女の姿は見られなくなってしまったのです。 しかし、冬となって、雪が山に
積もり里に降るころになると、西の山に、またしても、ありありと牛女の黒い姿が現れま....
「金銀小判」より 著者:小川未明
独り者の幸作は、家の中に話し相手もなくその日を暮らしていました。北国は十二|月にもなると、真っ白に雪が
積もります。そのうちに、年の暮れがきまして、そこ、ここの家々では餅をつきはじめま....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
ろいろな形に裂け分かれて、真紅の模様を、輝く水面に刻み出していたが、やがて波紋が
積もり重なり、柔らかな鏡のようになると、わずか突き出た檣の先に、再び海鳥が群がり....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
くこと三里ばかり、その間はみな非常に狭まったごく高い山の間で、谷間には雪が非常に
積もり川には氷が張り詰めて居るという始末。三里向うへ出ましたところで少し広いとこ....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
。 いよいよクリスマスは近づいて来ました。寒さは一そうきびしくなり、雪は六尺も
積もり、氷は、牛や人間が、どこをふんでも大丈夫な程厚くなりました。この季節が、こ....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
信を有するものではない。将来ますます材料を各地に求め、さらに他日の大成を期したい
積もりである。大方の諸君願わくは自分のこの研究を助けて、断簡零墨といえどもあえて....
「特殊部落と通婚問題」より 著者:喜田貞吉
由で円滑に行われない場合が多い。これについて自分は不日沿革的研究を発表してみたい
積もりである。....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
楊柳の花が、雪か綿か羽毛かの如くに白く飛んで散乱し、行人の衣にかかり、路傍に薄く
積もり、菜館、飯店の卓に迄舞いかかる何んとも云われない詩的にして清麗の趣きを見て....