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穢
「穢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
穢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
うである。しかしそう云う微妙音《びみょうおん》はアメリカ文明の渡来と共に、永久に
穢土《えど》をあとにしてしまった。今も四人の所化《しょけ》は勿論、近眼鏡《きんが....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ぼざんまい》に日を送った業平《なりひら》こそ、天晴《あっぱれ》知識じゃ。われらも
穢土《えど》の衆苦を去って、常寂光《じょうじゃっこう》の中に住《じゅう》そうには....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
だ》って来た、古代の日の暮のように平和だった。
「やはり十字架の御威光の前には、
穢《けが》らわしい日本の霊の力も、勝利を占《し》める事はむずかしいと見える。しか....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
うしろ》から声をかけた後、ぐんぐんその車を押してやった。それは多少押してやるのに
穢《きたな》い気もしたのに違いなかった。しかし力を出すだけでも助かる気もしたのに....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
におい》に充満しているとしか思われなかった。殊にあの十六人の女たちは、いずれも死
穢《しえ》を隠すために、巧な紅粉《こうふん》を装っている、屍骨《しこつ》のような....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
苦しさが漲《みなぎ》って、運送店の店先に較《くら》べては何から何まで便所のように
穢《きたな》かった。彼は黙ったままで唾をはき捨てながら馬の始末をするとすぐまた外....
「星座」より 著者:有島武郎
そしてヒステリカルに涙|脆《もろ》い渡井《わたらい》という十六になる女の生徒が、
穢《きた》ない手拭を眼にあてあて聞いていたが、突然教室じゅうに聞こえわたるような....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
たものでしょうね」とかなんとか。 しかし私は幸いにもとっさにそんな言葉で自分を
穢すことをのがれたのだった。それは私の心が美しかったからではない。君の絵がなんと....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
落させられている。というよりは、科学が素朴的に用いたこの言葉を俗衆が徹底的に歪め
穢してしまった。然し今はそれが固有の意味にまで引き上げられなければならない。ベル....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
に気が附くと、しげしげそれを見返して、唾でも吐き出す様に、 畜生。 と云って、
穢らわし相に下を向いて仕舞った。 (一九〇六年於米国華盛頓府、一九一〇年十月「白樺」)....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、ふんと呼吸をしたばかり。 「失礼、さあ、お上りなさいまし、取散らかしまして、汚
穢うございますが、」と極り悪げに四辺を※すのを、後の男に心を取られてするように悪....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ないものはそのまま側路に入らず、すぐに産土神のお手元に引きとられる。殊に浮世の罪
穢に汚されていない小供は例外なしに皆そうで、その為めこの娘なども、帰幽後すぐに俺....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
数の魂は、何の用意も、教育も施されずに、汚水の如く霊の世界へとなだれ込む。その罪
穢、その腐敗は、まさに言語に絶し、万の災厄は、すべてここに萌すのである。地上の人....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
馬車の動揺に精神を撹乱し、単純なる空気を呼吸したる肺臓は砂煙りに混じたる汚濁|臭
穢の空気を吸い込み、馬車人力車の轟きさながらに地獄の如く、各種商店の飾りあだかも....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
たいなわからず屋ってないんだもの。画なんてちっとも売れない画かきばかりの、こんな
穢い小屋に、私もう半年の余も通っていてよ。よほどありがたく思っていいわけだわ。そ....