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穢らしい
「穢らしい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
穢らしいの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
らしく、点々としておびただしいガラスのかけや血海のほかに、なんとなくぬらぬらした
穢らしい色の液体が、ところかまわずベタベタと一面にこぼれており、それがまたなんと....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
そもそも私の過去に致命的な打撃を与えた、苦しい思い出だからなんです……さあ、この
穢らしい手紙なんですが……どうぞ、ご覧下さい…… お懐しいオサセン様。 妾は....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
格で、足枷さえそんなに惨めなものらしくは見えなかった。眇《すがめ》の男は、捕虜の
穢らしい滑稽さを誇張するように、傍から相手の腕をつっつき、片言のイラン訛で云った....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
まそっと宝物の如く大切に保存されてあるのだった。これには少し弱った。一刻もこんな
穢らしいものを捨てておけないと私は考えたが、今さら掃除を命じるのはくやしいから、....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
ゃアないか、些と乾しましょう」 庄「あゝ其方の二畳の部屋の方へ出して置いてくれ、
穢らしいから……おい一杯酒を飲もう」 と是から酒を飲んでぐうッと寝てしまった。....
「化生のもの」より 著者:豊島与志雄
、噂が一転して姙娠となると、それはもう一種の嫌悪の情を伴ってくる。色気どころか、
穢らしいものとなる。そしてこうなると、男は無慈悲なものだ。彼女の腹部がふくれてこ....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
とわらびとの間の松並木の街道をスタスタ歩いている時で、何気なく見ると自分と並んで
穢らしい爺さんが歩いている。 穢さ加減が酷いので彼は思わず眼をそばだてた。それ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
は、一人の青年がおおよそ五六十ヤードばかり離れた視界の内を通り過ぎる修道僧たちの
穢らしい行列に敬意を表するために雨中に跪かなかったからといって、その青年の両手を....
「岷山の隠士」より 著者:国枝史郎
る日牛を追って堂前を通った。 県令の夫人が欄干に倚り、四方の景色を眺めていた。
穢らしい子供が、
穢らしい牛を、臆面もなく追って行くのが、彼女の審美性を傷付けたら....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
南のはずれを少し行けば、有名な幕府のお舟蔵となる。そういう空地へ貧民窟のような、
穢らしい小家がゴチャゴチャと立ち、狭い露路が無数に通っているかと思うと、草の生え....