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究める
「究める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
究めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
あったでしょうか。いいえ、そればかりか、その後まもなく私は、高代という言葉を突き
究めることができました。それが駭《おどろ》いたことには、鵜飼の二度目の妻で、前身....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
えて見ると僅かに十二本しか無いのだ、十二本の燐燧で暗い暗い此の蜘蛛屋の大秘密を見
究める事が出来ようか。
けれど唯一つ幸いなは戸の鍵穴に鍵が填った儘である、猶予....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は、十にあまる薬品棚の列と薬|筐とを調べて、薬瓶の動かされた跡と、内部の減量を見
究めるにすぎなかった。けれども、一方五分あまりも積み重なっている埃の層が、かえっ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
れ出した。 船は東南へ流れ出した。 湖水は大河に続いていた。仁田四郎忠常が、
究めることが出来なかったという、人穴の奥の大河こそは、湖水に源を発しているのであ....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
えて行くのです。(だんだん熱心になる)それを知恵が増すと申すのじゃ。経書の教義を
究めるのとは別事です。知識がふえても心の眼は明るくならぬでな。もしめいめいがたが....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
眼に映ずる処の物象の確実な相を掴みよく了解し、よく知りよくわきまえ、その成立ちを
究める事が肝要ではないかと思う。 この世の物象をよく究め了解する事においては、....
「赤格子九郎右衛門」より 著者:国枝史郎
号を雪斎と云った。この雪次郎は面白いことには、江川塾へ這入ったものの、別に砲術を
究めるでもなく、又蘭学を学ぶでもなく、のらりくらりとしていたが、俄然一書を著わし....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
、祖母の正面に立ちはだかって、じっと相手を見入っている。 それには、きょうこそ
究めるぞといった底重さがあり、祖母は、いつもの無表情で、うけ付けぬような静けさで....
「柳営秘録かつえ蔵」より 著者:国枝史郎
にエレキテル、機械学に解剖学、物理に化学に地理天文、人事百般から森羅万象、宇宙を
究める学問だア! もっとも馬鹿野郎の眼から見たら、手品吉利支丹に見えるかもしれね....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
は、宣長の門人伴信友の門に入り、国学を修め、左門は、平田塾に入って、同じく国学を
究める傍ら、戸ヶ崎熊太郎の道場に通い、神道無念流を学び、二人は互いにその面影を知....
「雪女」より 著者:岡本綺堂
あった。もし堀部君に探偵趣味があり、時間の余裕があったらば、進んでその秘密を探り
究めることが出来たかも知れなかったが、不幸にして彼はそれだけの事実をわたしに報告してくれたに過ぎなかった。....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ているが、当人ならびに同類だけには分らない。漢学という学問が、だいたいに、真理を
究める学問ではなくて、王サマの御用を論理の本筋としているもののようだから、そうい....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
昨日も天香師から宗教は趣味ではないといって、宗教的空気を享楽し、あるいは眺め、
究めるような態度を難ぜられるのを聞いている時に、私ははげしい叱責を受けているごと....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
果してあるのだろう乎。安心とか信仰とかいうものが果して得られるのだろう乎。知識で
究めるのは果しが着かないというなら、科学や哲学に何の権威がある乎。科学や哲学で究....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
上であろうと思うが、この広く平で木立の茂った林の中では、何処が最高点であるかを見
究めるのさえ容易でない。恐らく此辺が絶頂であろうと思われるあたりから少し北に下っ....