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究極
「究極〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
究極の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
推移する無色感覚の段階である。そうして、色彩感覚のすべての色調が飽和の度を減じた
究極は灰色になってしまう。灰色は飽和度の減少、すなわち色の淡さそのものを表わして....
「予報省告示」より 著者:海野十三
力化せんとして到る所に於て暴行を事とし、史上最高の暗黒時代である。 この混乱の
究極に於て、智能の点で地球生物より段違いにすぐれている他の惑星よりの侵入者が勝利....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
に成功するか、またはその防禦手段を発見し得ざるかぎり、対米発言力は急速に低下し、
究極に於いて日本と同じ地位にまで転落するであろう。 原子爆弾創製の成功は、かく....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
北地の奥のしら雪のように、その白さには、その果敢なさの為めに却って弛めようもない
究極の勁い張りがあった。つまんだ程の顎尖から、丸い顔の半へかけて、人をたばかって....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
m である。厳粛なる経験主義である。近世哲学の底を貫流する根調である経験的傾向を
究極まで徹底せしめて得たる最醇なる経験である。自己の意識状態を直下に経験したとき....
「今昔ばなし抱合兵団」より 著者:海野十三
むつかしい数学のことではありません。つまり、文化生活線上に於けるわれわれ人間は、
究極なる未来に於て、如何なる生活様態をとるであろうか? その答を伺いたいと申した....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
。空気タンクを背負い、保温衣を着て下りていけばいい」 「なるほど、しかしわれらの
究極の目的地は火星よりももっと遠方の空間に有るわけなんだろう。月世界へ寄って道草....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
のであろう? それは彼らの「十禁」のうちに、こういうことがあるからであった。 「
究極において悲鳴すべからず。これに叛くものは九指を折らる」 九指とは九族の謂で....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
儒者は首を突き出した。が、その首を後へ引くと、再び恭謙の態を作ったが「ああ諸人が
究極において、持ちたきものは『純粋性』でござる! もろもろの思想、もろもろの学、....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
に晴やかで退屈な顔に戻った。流石に老夫人は夫の習性をよく知っていたのだ。ここまで
究極すれば必ず話の筋を救い上げる文豪の心の抑揚をよく知っていたのだ。果してガルス....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
ンフルは申すまでもなく強心剤即ち心臓の働きを強くさせる薬剤ですから、つまり医学の
究極は心臓を強くさせることだということが出来る訳です。急性病にしろ、慢性病にしろ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
よく察している。今はブラッセルにいるが、彼とロオペとの間に連絡があったとすれば、
究極のところ、博士にとって不利な事実が嗅ぎだされずにはおかないだろう。審問が続行....
「正に芸術の試煉期」より 著者:小川未明
従事する者は、常にその時の調子一つで、その何れにもあり得るのだ。世間に妥協するも
究極は功利に終始するも、蓋し表現の上では、どんなことも書けると言うのである。 ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
て、その自由さ、豊饒さに酔ってしまったのでありました。そして此地を以て美の理想の
究極だと思い取ったのであります。なんぞ図らん、それは美の畑だけであり、田だけであ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
結局は矢張り主義が中心となって世界が二分するであろうと想像する。 この見地から
究極に於て、王覇両文明の争いとなるものと信ずる。我ら東洋人は科学文明に遅れ、西洋....