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空き地
「空き地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空き地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
少しもこだわらずに返事をした。
「じゃもう一週間前に来りゃ好いのに。あすこに少し
空き地が見えるね。――」
それは赤煉瓦の西洋家屋の前、――丁度あの枝のつまった....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
間を左へ曲った。けれどもお墓は見当らなかった。のみならず僕の見覚えていた幾つかの
空き地さえ見当らなかった。
「聞いて見る人もなし、………困りましたね。」
僕は....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
色《けしき》は見えなかった。刑場はちょうど墓原《はかはら》に隣った、石ころの多い
空き地である。彼等はそこへ到着すると、一々罪状を読み聞かされた後《のち》、太い角....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
てしまった。彼は眠を破られた人の腹立たしさを感じながら、柏の下に草を敷いた林間の
空き地へ眼を落した。するとそこには三人の女が、麗《うら》らかな日の光を浴びて、木....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
せておめおめと立ち去った。 夜が明けてから彼の来たらしい方角をたずねると、東の
空き地に高さ百余尺の柳の大樹があって、ひと筋の矢がその幹に立っていたので、いわゆ....
「死者の書」より 著者:折口信夫
。東の中み門、西の中み門まで備って居る。どうかすると、庭と申そうより、寛々とした
空き地の広くおありになる宮よりは、もっと手入れが届いて居そうな気がする。 庭を立....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
い取った。 その屋敷は旧幕臣の与力が住んでいたもので、建物のほかに五百坪ほどの
空き地がある。西の方は高い崖になっていて、その上は樹木の生い茂った小山である。与....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
がいもでもキャベツでも、にんじんでも、かぶでも作りこんであった。それはちょっとの
空き地もなかったのであるが、それでもおっかあはわたしに少し地面を残しておいてくれ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
たしたちはみんないっしょに、できるだけ遠くはなれて、この悪い事をした人間との間に
空き地をこしらえた。数時間のあいだ、かれは悲しみに打たれて、絶えずくちびるを動か....
「蜘蛛の夢」より 著者:岡本綺堂
。わたくしもかねて心得ていますから、蚊帳を吊る。お線香の支度をする。それから裏の
空き地へ出て干物を片づける。そのうちに大粒の雨が降って来る。いなびかりがする。あ....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
、その地において生活の道を求むべく流れて来た浮浪民の徒は、賀茂河原や清水坂の如き
空き地に小屋がけして、所謂河原者にも坂の者にもなったのであろうが、その以前の様子....
「灰色の姉と桃色の妹」より 著者:小川未明
方へ歩いていきました。そこは、一|段低くがけとなっています。がけの下にはさびしい
空き地があって、そこには、二、三|本の憂鬱な常磐木が空にそびえていました。そして....
「三月の空の下」より 著者:小川未明
継ぐ人がなかったために滅びてしまいました。その建物も、いつしか取り払われて、跡は
空き地となってしまったけれど、毎年三|月になると、すいせんの根だけは残っていて、....
「空晴れて」より 著者:小川未明
て、彼は、ついに東京の人となりました。 きた当座は、自転車に乗るけいこを付近の
空き地にいって、することにしました。また、電話をかけることを習いました。まだ田舎....
「芝、麻布」より 著者:小山内薫
以上もあろうという台所。土蔵が二戸前あった。裏には、テニスコートぐらい出来そうな
空き地がある。座敷は二十何畳という広さのが、階上にも階下にも二つずつくらいはあっ....