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空ける
「空ける〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空けるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「セメント樽の中の手紙」より 著者:葉山嘉樹
メン桝《ます》にセメントを量《はか》り込んだ。そして桝《ます》から舟へセメントを
空けると又すぐその樽を空けにかかった。
「だが待てよ。セメント樽から箱が出るって....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
は何というのでしょうか。憧憬、なるほど、その憧憬を作る為めに。 自分が再々家を
空けるので、妻は愛想を尽かしたのも無理はない。妻は子供を連れたまま実家へ引取った....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
気は直ったと自分では云って居ても未だ客の前へも出得ない夫人が夜の十二時過ぎに室を
空けるとは、何うも尋常の事ではない、若しやと思って余は庭へ出たが、月のない夜の事....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
春までに行きて泊りし事|凡そ十五度も有る程なり、今年夏の初め妾は余り屡々奉公先を
空ける故暇を出されて馬道の氷屋へ住込しが七月四日の朝母より「親指は今日午後五時の....
「宝石の序曲」より 著者:松本泰
てふたたび店へ戻った。彼女は朋輩《ほうばい》の信子に、 「わたし十分ばかりお店を
空けるから、旦那が聞いたらなんとか要領よくやっておいてちょうだいね。それからここ....
「火星の魔術師」より 著者:蘭郁二郎
っかり考えこんでしまったようですね、はっはは」 志賀健吉は、茶碗の茶を一呑みに
空けると、いかにも愉しそうに笑った。そして 「いやあ、一寸お詫をしなけりゃならん....
「華々しき一族」より 著者:森本薫
てるよ。 諏訪 あんまり言いなりになるようで莫迦々々しいんだもの、妾達、始終家を
空けるもんで、足許をみてるんだわ。きっとそうよ。 昌允 みられたって、仕様がない....
「人間繁栄」より 著者:豊島与志雄
多少逆上の気味も手伝って、思い切った計画をめぐらした。或る口実を設けて、一晩家を
空けるということにして、子供と牛乳の瓶とを男に預けて、夕方から家を出た。そして夜....
「父の形見」より 著者:豊島与志雄
切なさをしみじみ感じさせるものだった。 父は酒に酔って彷徨し、一晩も二晩も家を
空けることがあった。その間君は、老婢と二人の生活をさして淋しいとも思わず、よく食....
「新妻の手記」より 著者:豊島与志雄
ちゃったよ。」 「あたしには分らないわ。」 「僕にもよく分らない。だが、長く家を
空けるのが嫌なのかも知れない。一日か二日ならいいけれどねえと、お母さんは言ったよ....
「浅間噴火口」より 著者:豊島与志雄
真面目に云った。 「だけど、ふだんあれほど云っといたんですから、これからは、家を
空ける時は断らなけりゃいけませんよ。」 「そうです。それが、家にいる時はよく分っ....
「どら猫観察記」より 著者:柳田国男
である。住宅の附属物である。鍵をかけて出入をするようになれば、猫だけを残して家を
空けることは困難である。そうして鼠を駆除するには他にも方法が新たに備わった。一般....