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空中
「空中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
はできない。ある詩人の書いた一行の詩はいつも彼の詩の全部である。
四
空中の花束
科学はあらゆるものを説明している。未来もまたあらゆるものを説明す....
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
あったのです。
町は勿論とうの昔に人通りを絶っていましたが、星ばかりきらめいた
空中には、小《お》やみもない風の音がどよめいています。わたしは暗い軒通《のきづた....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
が》れた声で大喝しました。
その声に応じて金甲神《きんこうじん》が、雲気と共に
空中から、舞下《まいくだ》ろうと致しましたのと、下にいた摩利信乃法師が、十文字の....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
息が絶えていた。が、竹矢来《たけやらい》の外にいた人々は、今でも彼の祈祷の声が、
空中に漂っているような心もちがした。
それは「べれんの国の若君様、今はいずこに....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
《たた》りをせずにはおかぬぞ。……」
古千屋はつづけさまに叫びながら、その度に
空中へ踊《おど》り上ろうとした。それはまた左右の男女《なんにょ》たちの力もほとん....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
》のことなれば、思わず御足《おんあし》もとの狂いしとたん、御鷹《おたか》はそれて
空中に飛び揚り、丹頂も俄《にわ》かに飛び去りぬ。この様《さま》を見たる喜左衛門は....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
滅していない。いや、芸術と云いさえすれば、常人の知らない金色の夢は忽《たちま》ち
空中に出現するのである。彼等も実は思いの外、幸福な瞬間を持たぬ訣《わけ》ではない....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
とする。俺は大いに腹が立ったから、いきなり車夫を蹴飛《けと》ばしてやった。車夫の
空中へ飛び上《あが》ったことはフット・ボオルかと思うくらいである。俺は勿論|後悔....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
穴の中へはいってしまう。
7
上から斜めに見おろした海面。急にどこか
空中から水夫の死骸《しがい》が一つ落ちて来る。死骸は水けぶりの立った中に忽ち姿を....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
不思議にも涙を流していた。幻は暫く漂っていた後、大風の吹き渡る音と一しょに忽ち又
空中へ消えてしまった。そのあとには唯かがやかしい、銀の鎖に似た雲が一列、斜めにた....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
っぽい、幾分ふわふわしたもので、そして普通は裸体でございます。それが肉体の真上の
空中に、同じ姿勢で横臥している光景は、決してあまり見よいものではございませぬ。そ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ない心得違いである。環境が悪ければ、いかなる名霊媒だって施す術がない。それは恰度
空中放電その他の場合に、ラジオに故障を生ずると同様であろう。これと同時に霊媒の方....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
バアの軒に吊った色|硝子のランタアンを発見した。ランタアンは烈しい風の為に徐ろに
空中に動いていた。…… 僕の次にはいったのは或地下室のレストオランだった。僕は....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
。するとかれこれ半時ばかり経って、深山の夜気が肌寒く薄い着物に透り出した頃、突然
空中に声があって、 「そこにいるのは何者だ」と、叱りつけるではありませんか。 ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
るのが好きらしい。 しかし、この妖術をかけられた地方につきまとう主領の精霊で、
空中の魔力の総大将とおぼしいのは、首の無い騎士の亡霊である。ある人たちのいうのに....