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空事
「空事〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空事の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いましょうが、現在私が御奉公致している若殿様の事を申し上げながら、何もそのような
空事《そらごと》をさし加えよう道理はございません。その頃|洛中《らくちゅう》で評....
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
れ狂うた浪を踏んで、いず方へか姿を隠し申した。」
奉行「この期《ご》に及んで、
空事《そらごと》を申したら、その分にはさし置くまいぞ。」
吉助「何で偽《いつわ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
んから、ずうずうしく度胸を据えて、自分の方から辻番へ名乗って出て、真実《まこと》
空事《そらごと》取りまぜて、かたき討ちの講釈をならべ立てた次第です。 かたき討....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
銀杏の根本で繙《ひもど》いた、不思議な書物の中にある、 妾の女王の絵姿は、絵
空事ではなかったか。 空には白い星の数、海には青い波の色。 棚引く雲の匂やか....
「河明り」より 著者:岡本かの子
って、昼は店に行っていてそこには誰もいない。二階の表側の一室は、物置部屋に代った
空事務室の上だから、私の部屋からは知れないようなものの、少くとも河に面した方の二....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
一 ――第七話です 三十五反の帆を張りあげて行く仙台石の巻とは、必ずしも唄
空事の誇張ではない。ここはその磯節にまでも歌詞滑らかに豪勢さを謳われた、関東百三....
「花吹雪」より 著者:太宰治
、このような張りのある文章は書けない。けれども、これは鴎外の小説である。小説は絵
空事と昔からきまっている。ここに書かれてある騒動を、にわかに「事実」として信じる....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
「日本学術振興会」・「燃料国策審議会」・「満蒙学術探検隊」・「特殊染料」助成・航
空事業振興のための「綜合調査会」・等々)が盛んになって来つつあるのを見逃すことは....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
れにもかかわらず、そのときの感激があまりに生まなましいので、ゆうべのことがどうも
空事ではないようにも思われ、今度また何か起こって来るのではないかという予感を除く....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
出してくよくよするのは、遠い先の未来のことを妄想して思い上るのと同じくらい愚劣な
空事だからな。一番大切なのは現在だ。現在の中に存在する可能性だ。……ところで、衛....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
漫談家も今は鳴りをひそめてしまった(後註――こう書いて一、二カ月後には大辻君は航
空事故で惨死した)。 これが私の話術修業の最後で、二・二六事件のあった夏頃私は....
「妾宅」より 著者:永井荷風
でも喜ぶ、誰でも誘《いざな》われずにはいられぬ微妙な無声の詩ではないか。敢えて絵
空事《えそらごと》なんぞと言う勿《なか》れ。とかくに芝居を芝居、画《え》を画との....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
というが、それが二つの桶を棒の両方にになって、潮を汲みに行くところを舞うのは、絵
空事というものである。手桶ができて後ならばバケツというものも考えだされようし、棒....