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空気
「空気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空気の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
ろに巻煙草の箱を積み、前に博多人形《はかたにんぎょう》を並べている。手前に並んだ
空気銃の一列。人形の一つはドレッスをつけ、扇を持った西洋人の女である。少年は怯《....
「影」より 著者:芥川竜之介
の向うに煙っている、まだ花盛りの夾竹桃《きょうちくとう》は、この涼しそうな部屋の
空気に、快い明るさを漂《ただよ》わしていた。
壁際《かべぎわ》の籐椅子《とうい....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
彼の結婚を祝する心が冷却したと云う訳でもなかったのです。それ所か、明《あかる》い
空気|洋燈《ランプ》の光を囲んで、しばらく膳に向っている間《あいだ》に、彼の細君....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
名《みな》を唱えた。が、悲しみは消えないばかりか、前よりは一層彼の胸へ、重苦しい
空気を拡げ出した。
「この国の風景は美しい――。」
オルガンティノは反省した。....
「河童」より 著者:芥川竜之介
屋《へや》の壁の向こうに、――たしかに詩人のトックの家に鋭いピストルの音が一発、
空気をはね返すように響き渡りました。
十三
僕らはトックの家へ駆けつけまし....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
の鉢だの、煎茶家《せんちゃか》めいた装飾があるのも、居心《いごころ》の好《よ》い
空気をつくっていた。
玄象道人は頭を剃《そ》った、恰幅《かっぷく》の好《い》い....
「女」より 著者:芥川竜之介
に薔薇の花へ下りた。蜘蛛《くも》は咄嗟《とっさ》に眼を挙げた。ひっそりした真昼の
空気の中には、まだ蜂《はち》の翅音の名残《なご》りが、かすかな波動を残していた。....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
ほたる》が何匹もすがっていたと言うことです。もっともそのまた「朝日」の空き箱には
空気を通わせるつもりだったと見え、べた一面に錐《きり》の穴をあけてあったと云うの....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
者もございます。して見ればお恥しい気のするのも無理はございますまい。」
一座の
空気は、内蔵助のこの語《ことば》と共に、今までの陽気さをなくなして、急に真面目《....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
忘れなかった。動くともなく動き、流るるともなく流れる大川の水の色は、静寂な書斎の
空気が休みなく与える刺戟《しげき》と緊張とに、せつないほどあわただしく、動いてい....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
屋《おもちゃどんや》の前に、半天着《はんてんぎ》の男が自転車のタイアへ、ポンプの
空気を押しこんでいた。何だかそれが洋一には、気忙《きぜわ》しそうな気がして不快だ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
ほとんど彼の目を信じなかった。が、両手にさわって見ると、実際両脚とも、腿から下は
空気を掴むのと同じことである。半三郎はとうとう尻《しり》もちをついた。同時にまた....
「初雪」より 著者:秋田滋
った来年の今頃ともなれば、自分の前をいま歩いてゆく同じ人たちが、南国のあたたかい
空気を慕って、今よりは少しばかり大きくなった子供を連れて、希望にもえ、愛情に酔い....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
垂周吉にあらずして、唖然たる癡呆の一書生なり。馬車の動揺に精神を撹乱し、単純なる
空気を呼吸したる肺臓は砂煙りに混じたる汚濁|臭穢の
空気を吸い込み、馬車人力車の轟....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
散り、ガラスの覆面も滅茶滅茶に壊われてしまっておった。 またある日、このガスを
空気ポンプで抽くと、静に蒸発した。翌日同じ事をやると、今度は爆発し、傍にいたデビ....