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「空箱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

空箱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
少年」より 著者:芥川竜之介
に絶え間のない人通りを映《うつ》している。が、玩具屋の店の中は――殊にこの玩具の空箱《あきばこ》などを無造作《むぞうさ》に積み上げた店の隅は日の暮の薄暗さと変り....
お菓子の大舞踏会」より 著者:海若藍平
事……。 それから食べたにもたべたにも、一箱ペロリと食べてしまった五郎さんは、空箱と包み紙や紐を裏の掃きだめに棄てに行って、帰りがけに台所へ行ってお茶をガブガ....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
よ。そんなケースなんて一つもあの部屋には無いのだ。あるのはバットの、あのお馴染の空箱だけだった。空箱の数はみんなで四個あったがネ」 「ほほう」 「それからもっと....
単独行」より 著者:加藤文太郎
立てた岳樺の小枝があって、それに一行の名前を書き入れた中山彦一様の名刺がバットの空箱に入れて挟んであった。僕は無断で失礼だと思ったが、ちょっと嬉しかったので名前....
血の文字」より 著者:黒岩涙香
事の有り得べきや、人々の中にて一番早く心を推鎮めしは目科なり彼れ五六遍も嚊煙草の空箱を鼻に宛たる末、件の巡査に打向いて荒々しく「夫は全く間違いだ、お前が自分で欺....
恐竜島」より 著者:海野十三
のフランソアであった。その横には、水夫のラルサンがよいつぶれて、テーブルがわりの空箱《あきばこ》に顔をおしつけたまま、なにやら文句の分らない歌を、豚のような声で....
○○獣」より 著者:海野十三
場所をみつけた。それは外国人がホテルへついて荷物を大きな荷造りの箱から出したその空箱がいくつも重ねてある場所であった。敬二はそのうちで一番大きい箱に見当をつけて....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
った。 「何者?」 杉田が、はっとして後をふり向くと、その薄暗い室のまん中に、空箱を椅子にしてふんぞりかえっている髪の赤い大男! 腰から上は申しわけばかりのシ....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
ち上げて、その下から飛出す蟋蟀を捉えるのが何よりの楽しみだった。 初めは石鹸の空箱へ雑草を入れ、その中へ捉えた蟋蟀をつめ込んだ。私たちは学校から帰るとその箱を....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
に、ぶきみな形の小石をひろったりした。それは大切に、廊下に並べられたり、お菓子の空箱にしまいこまれたりした。 毎朝、五時に、ほら貝が鳴る。私達は女中の手にぶら....
鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
子は吹き出したくなった。鴨居の上には二段にして、くるりと四方へ、種々雑多な煙草の空箱が積みならべてあった。突き当りの袋棚の下の縁板の上には夜具が敷きっ放され、唐....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
遺っている。そしてその建物の屋根裏から、先年「綸旨」と金蒔絵で表書きした黒塗りの空箱を発見したというほどの旧家であるから、無論この村の草分けの一つとして、その祭....
透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
にしないかと、はらはらしたよ」 男は、ほっとしたようにつぶやき、麦わらや空籠、空箱で、すっかり部屋が汚れてしまったのも、気かつかぬようだった。 「さあ、さっそ....
飴チョコの天使」より 著者:小川未明
のポチに投げてやったりしていました。その中に、まったく箱の中が空になると、一人は空箱を溝の中に捨てました。一人は、破ってしまいました。一人は、それをポチに投げる....
俗臭」より 著者:織田作之助
はゝゝゝゝ」とその時崎山は大声で笑って、「名刺は持ち合わさんので……」とタバコの空箱の裏に住所氏名を書いて与えた。赤坂区青山町とあるのを見て、伝三郎は、 「あん....