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空船
「空船〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空船の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
高木から眼を転じて脚《あし》の下を見た。すると磯《いそ》に近い所に、真白に塗った
空船《からぶね》が一|艘《そう》、静かな波の上に浮いていた。糠雨《ぬかあめ》とま....
「行人」より 著者:夏目漱石
ない。徒歩から俥《くるま》、俥から馬車、馬車から汽車、汽車から自動車、それから航
空船、それから飛行機と、どこまで行っても休ませてくれない。どこまで伴《つ》れて行....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
、北方に流れる浮雲の中から現われて、これを圧迫する態度を示した。 その隙に大航
空船メーコン号、ラオコン号の側面に我が飛行艇隊が近づいて行った。メーコンとラオコ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
後覚《ぎざんこうかく》』四に、四国遍路の途上船頭が奇事を見せんという故蘆原にある
空船に乗り見れば、六、七尺長き大蛇水中にて異様に旋《めぐ》る、半時ほど旋りて胴中....
「超人間X号」より 著者:海野十三
勇敢な五少年の死をいたんで、思わずお念仏《ねんぶつ》をとなえたのだった。 宇宙航
空船《うちゅうこうくうせん》 ところが、谷博士も、山形警部も、五人の少年も、け....
「織成」より 著者:田中貢太郎
洞庭湖の中には時とすると水神があらわれて、舟を借りて遊ぶことがあった。それは
空船でもあると纜がみるみるうちにひとりでに解けて、飄然として遊びにゆくのであった....
「沈黙の水平線」より 著者:牧逸馬
れない。バアクレイ・カアル造船所も躍起になって、断じてそんな事はないと言い張る。
空船《カラ》でも、荷物を満載しても、ワラタは立派にバランスが取れていると言って一....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
り田船の中に乗った者が、自分で舳の縄を手繰れば、向岸へ着く。其後へ又来た者が、其
空船を此方へ呼戻す時には、岸から艫の縄を手繰ると、人は無くても船は房って来る、然....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
どく腹が立った,――という所で目がさめた.夢を見たのであった. 俺は宝壇から航
空船(17)をとり下し,それに乗って,わが家の天窓から神風を伴って飛びだした. ....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
合点して、てっきりこの舟にいるものと思い込んできた面々は、それでもそれが、主なき
空船とは受け取れなかった。近づけば近づく程、敵が舟底に身を伏せているものと、疑心....
「三国志」より 著者:吉川英治
まった。そして、夜になるとまた、同じ策を繰返した。 こうして七日七夜も、毎夜、
空船の篝で敵を欺き、敵がつかれ果てた頃、一夜、こんどはほんとに強兵を満載して、大....
「旗岡巡査」より 著者:吉川英治
重ねていう。 権十は少し安心もし、気も直して、 「それやあどっち途、銚子へ帰る
空船だから、乗せて上げまいものでもないが――だが、この関宿には、河筋にも関所の柵....
「寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
。 水素の爆発の研究には、ちょっとした劇的挿話があった。それは丁度その頃或る航
空船が、飛行中全く原因不明で、或る場所の上空で爆破したことがあった。乗組員は全部....
「言語と文化史」より 著者:知里真志保
す。 このゆりかごが叙事詩の中では更に空想化されて、空飛ぶ乗物、文字どおりの航
空船になり、神々がこれに乗って大空を自由に往来するように述べられており、樺太の叙....