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空音
「空音〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
空音の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
、嫁ぎ後《おく》れたる世の常の女の習《ならい》なるに、麈尾《ほっす》に払う折々の
空音《そらね》に、琵琶《びわ》らしき響を琴柱《ことじ》に聴いて、本来ならぬ音色《....
「婦人と文学」より 著者:宮本百合子
惜しげもなく自身の美に耽っている女である。 この那美という女の姿は、短篇「琴の
空音」の中の女主人公にも似ており、「虞美人草」の藤尾とも血脈をひいている。周囲の....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
しい女と、その若紳士が居合わせて、こう言を交わしたのを松崎は聞取った。 さては
空音ではないらしい。 若紳士が言ったのは、例の、おいてけ堀、片葉の蘆、足洗い屋....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
れぬ。すぐ東国|下野へ馳せ戻ろうわい」 右馬介は耳を疑った。 何か、ありえぬ
空音のように聞えたのである。 「えっ、北方の戦乱ですッて。戦乱が起ッたと取沙汰し....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
騎はヒソとかたまりあいながら、沖のこたえに固唾をのんだ。 落日と共にあらゆる虚
空音も雲の果てに吸い込まれたような一ときだった。そこの人馬や波の模様も靄々として....