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突き当たる
「突き当たる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
突き当たるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
》がよい相手じゃ」 言い捨てて立ち去ろうとする頼長のゆく手をさえぎって、玉藻は
突き当たるばかりに彼の胸のあたりへ我が身をもたせかけた。 「じゃによって、身にあ....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
、愛へ、可能へ、そうして認識への強烈なその羽搏き。これらのものが到る所で鉄の手に
突き当たる。すなわち、人生の短さやその脆さや、制限された諸力や、冷淡な自然や、病....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
て行った。 一村一町にも比較べられる、無限に広い西丸御殿は、至る所に廊下があり
突き当たるつど中庭があり廊下に添って部屋部屋がちょうど町方の家のように整然として....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
う。 朝は風も穏やかで、天が極めて静かである。空に懸かれる太陽は、今にもその身に
突き当たる恐るべきものの近寄っている事を知るや知らずや、毎の如く和らかに輝いてい....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
は穴倉へでも通じて居るのかそれとも下の室へ出られるのかと、下へ下へと降りて行くと
突き当たる所に又戸がある。アア是で分った、絵姿の所の板が薄かったのも、全くはアノ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
た早いのです。 2 海賊橋から江戸橋を渡って、伊勢町《いせちょう》を
突き当たると大伝馬町《おおでんまちょう》、そこから左へ曲がると、もう雛市《ひない....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
「おれはこうしちゃいられない。」 そう思って、辺鄙な山の中の寂しさ不自由さに
突き当たるたびに、半蔵は自分の周囲を見回した。 「おい、峠の牛方衆――中津川の荷....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
層明らかにされるであろう。 思いつづけて行くと、半蔵は大きな巌のような堅い扉に
突き当たる。先師篤胤たりとも、西洋の方から起こって来た学風が物の理を考え究めるの....
「縮図」より 著者:徳田秋声
……後で話すわ。」 銀子は気軽に言ったが、母の柔らかい言葉のうちにひしひし胸に
突き当たるものが感じられ、その場ではうかうか聴き流していたが、正味をつまみあげて....
「鶏」より 著者:森鴎外
気が落ち付くだろうというような心持がした。 表側は、玄関から次の間を経て、右に
突き当たる西の詰が一番好い座敷で、床の間が附いている。爺さんは「一寸|御免なさい....
「埋もれた日本」より 著者:和辻哲郎
さてそのつもりでこの時代の物語を読んで行くと、時々あっと驚くような内容のものに
突き当たる。中でも最も驚いたのは、苦しむ神を主題としたものであった。 その一つ....
「地異印象記」より 著者:和辻哲郎
を辿れば、結局はかくのごとく一か所に蝟集してかくのごとき都会を築造した人間の愚に
突き当たるであろう。 が自分はその愚を嗤う権利を持たない。自分自身もまたその愚....