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「突っ切る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

突っ切るの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
た。 「なにしろ悪く寒いね」 「この二、三日は冴え返りました」 「これから田圃を突っ切るのは楽じゃあねえ。どうだい、あすこで蕎麦の一杯も啜《すす》り込んで威勢を....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
に妙案が浮かびそうもない、でまた、スタスタ歩き出した。鬱々とした森がある。それを突っ切ると杉の小山。その小山の裾を巡り、ふと行手を眺めると野が眼の前で尽きていた....
田舎教師」より 著者:田山花袋
梨の花と八重桜、畠には豌豆と蚕豆、麦笛を鳴らす音が時々聞こえて、燕が街道を斜めに突っ切るように飛びちがった。蟻、蜂、油虫、夜は名の知れぬ虫がしきりにズイズイと鳴....
足迹」より 著者:徳田秋声
静かな町にあった。お鳥は花屋敷前の暗い木立ちのなかを脱けて、露店の出ている通りを突っ切ると、やがて浅黄色の旗の出ている、板塀囲いの小体な家の前まで来てお庄を振り....
伸子」より 著者:宮本百合子
かざし抜目ない商売をやっている男がある。 ――自分だけ一足先に抜けたり、街路を突っ切るなどということはとても不可能なことであった。片手に小旗を高くささげ、片方....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
早業である。声一つ敵に立てさせない。 ブルッと血顫いした葉之助、そのまま前庭を突っ切ると、正面に立っている古代造り、久田の姥の住む館へ、飛燕のように飛び込んで....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
です。 しかし、これは、ああ不吉! と言って引返すお銀様ではありません。これを突っ切ることが目的地に達するに近路だと考えれば、必ずその通りに進んで行くに相違な....
山吹の花」より 著者:豊島与志雄
が、近い裏道が開けていた。金精峠の麓、菅沼湖畔の山の家の所から、小舟に乗って湖を突っ切る。左手遙かに日光奥白根の秀峰を仰ぎ、右手の岬の先端に聳えてる八角堂の廃屋....
前記天満焼」より 著者:国枝史郎
、目つかりそうだ」 また走らなければならなかった。 出た所が富島町で、それを突っ切ると亀島橋、それを渡れば日本橋の区域、霊岸島から出ることが出来る。 「よし....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
りのように消えてしまった。 「よし、あの辺は今生院だな。東へ抜けると板倉家、西へ突っ切ると賀州殿、これはどっちも行き止まりだ。さて後は南ばかり、あっ、そうだ湯島....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
ますよ」 「では一度門前町へお出にならなければなりませんねえ。わたしも、門前町を突っ切るのですからそこまでごいっしょに参りましょうよ」 「ええ、ぜひごいっしょに....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
おそらく、五羽の鰹鳥はその籠をひいて、底をかすかに水面に触れながら、まっしぐらに突っ切るだろう。 愛は、ハチロウをきっと守るにちがいない。そして神も、私の天使....
早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
えられるほど近く見えていた。 東仲町が大川橋にかかろうとするその袂《たもと》を突っ切ると材木町、それを小一町も行った右手茶屋町の裏側に、四軒長屋が二棟掘抜井戸....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ょうぜ。」 身体を斜に風の当りを弱めながら小笠原|長門守《ながとのかみ》様前を突っ切ると、次の一廓が松平修理太夫と和気《わけ》行蔵の二構え、お長屋門の傍から松....