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「突っ走る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

突っ走るの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:徳田秋声
、K―も顔を見合わせて無意味にニタリと笑った。 「おい酌をしろ。」笹村の声がまた突っ走る。 夕化粧をして着物を着換えたお銀が、そこへ出て坐ると、おどおどしたよ....
ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
上へのばした。果しないシベリアを夜昼鋼鉄の長い列車は西へ! 西へ! 砂塵を巻いて突っ走る。信吉は棚の上で日に一度はきっとこの紙を出しかけた。所在なかったり、寂し....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
めに機械さえ出来りゃ空が飛べねえという話があるものか、海の上だってああして黒船が突っ走るじゃねえか、陸の上だって、山のドテッ腹を蹴破って陸蒸気が通らあな、水も山....
丹下左膳」より 著者:林不忘
「おい、逃げるてえ法《ほう》があるかッ! この乾雲は汝の坤竜にこがれてどこまでも突っ走るのだ。刀が刀を追うのだからそう思え!」 と遠ざかる小舟に怒声を送って、....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
づ》の沖で初鰹を釣り、船梁《ふなばり》もたわむほどになって相模灘《さがみなだ》を突っ走る。八挺櫓《はっちょうろ》で飛ばしてくる江戸の鰹買船《かつおかいぶね》に三....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
どろんと一つ、用いやがったかな」 「伊賀流の忍術じゃあるめえし」 「まだ遠くへは突っ走るめえぜ。おらあ追っかけて――」 「よせよせ、手前なんかに歯の立つ姐御《あ....
土から手が」より 著者:牧逸馬
たのか、と、運転手の Casey が狼狽てて制動機《ブレイキ》を絞ると、トニィは突っ走るような声を弾ませて、 「手が見えたんだ。誰かの手だ。彼処の谷の底だよ。人....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
っと顔が合っただけの、全然識らない人だったが、そんなことは言っていられなかった。突っ走るような初太郎の声で、四十余りのでっぷりした男が、すぐ蒲団を蹴って起きて来....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
が引き取る。「なんぼ朱総《しゅぶさ》が嫌えだっていわば蝉の脱殻だ、そいつを担いで突っ走るがものもあるめえに。」 「のう常さん。」藤吉はにやりと笑って、「死んだと....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
える。気がふれてしまったのだろう。後ろをふり返りふり返り走るのもあり、頭もふらず突っ走るのもある。姉はおくれる妹を叱り、妹は姉に待ってとせがむ。後ろへすぐ炎は迫....