突切る[語句情報] » 突切る

「突切る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

突切るの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
路上」より 著者:芥川竜之介
。俊助《しゅんすけ》は生酔《なまよい》の大井《おおい》を連れてこの四つ辻を向うへ突切るには、そう云う周囲の雑沓《ざっとう》と、険呑《けんのん》な相手の足元とへ、....
李陵」より 著者:中島敦
を北に溯《さかのぼ》り※居水《しっきょすい》との合流点からさらに西北に森林地帯を突切る。まだ所々に雪の残っている川岸を進むこと数日、ようやく北海《ほっかい》の碧....
雑沓」より 著者:宮本百合子
並べ、二人はどちらからともなく新橋の方角へ動きだした。数間歩いて、一つの横通りを突切るとき、青年がはじめて口を切った。 「寄宿の方はいいのかね」 「土曜日曜は平....
怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
其処の所がちと危ない事で、これと云う場合に向いたなら、水の中でも火の中でも向うへ突切る勢いがなければ、必ず大望は遂げられぬが、まず退くに利あらず進むに利あり、斯....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
仏へかかるのが順でございますけれども、駕籠屋さんが慣れていますから、高尾の裏山を突切ると言いました、五十丁峠の道をわけて、山道づたいに上野原へ出た方が、道は難渋....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
が見える。(飜然と飛ぶ。……乱るる紅、炎のごとく、トンと床を下りるや、颯と廻廊を突切る。途端に、五個の燈籠|斉しく消ゆ。廻廊暗し。美女、その暗中に消ゆ一舞台の上....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちゃいられねえ、道をあけなけりゃあ、血を見せるぞ、血の河を流して人の堤《どて》を突切るからそう思え、俺《おい》らは悪人でねえから血を見るのも嫌《きれ》えだし、見....
村の三代」より 著者:宮本百合子
って来たものはおのずから村を南北に貫通している大通りへぶつかり、その道を真っ直ぐ突切ると爪先上りの道は同じ幅で松の植込みのある、いくらか昔話の龍宮に似た三層楼の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
どうも、分けて行くこの細道が、その「穴掘り」作業の傍らを通らないことには、これを突切ることは不可能の道筋になっていましたから、そこで、やむなく右の「穴掘り」人足....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ない。転んでもただでは起きて行かない奴である。本街道を外れて、わざわざ長浜の町を突切るくらいだから、何かこの土地にからまるべき因縁があるに相違ないと感づいたので....
星女郎」より 著者:泉鏡花
を切って遁げるのに心着いて、屋根から飜然……と飛んだと言います。垣を越える、町を突切る、川を走る、やがて、山の腹へ抱ついて、のそのそと這上るのを、追縋りさまに、....
栄蔵の死」より 著者:宮本百合子
いと云う身柄にない見えもあった。 広い通りや、狭い通りを抜けて、走る電車の前を突切る早業に、魂をひやしてお金の家へついたのは、もう日暮れに近かった。 格子の....
秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
るが違ったなと直ぐ気が付く。木が太くなって木立は少し疎になって来た。其の中を右に突切ると国境の切明けに出る。下生えが少いので歩きよい。三人は足に任せてドンドン下....