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「突堤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

突堤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪」より 著者:織田作之助
で船足が遅れて、別府湾にはいったのはもう夜だった。山の麓の灯が次第に迫って来て、突堤でモリナガキャラメルのネオンサインが点滅した。 船が横づけになり、桟橋にぱ....
気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
400形式・73号だ!」 それから数分の後―― 荒れ果てた廃港の、線路のある突堤埠頭の先端に、朝の微光を背に受けて、凝然と立|竦んでいた私達の眼の前には、片....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
と、哨戒司令は、自重する。 「ですけれど、司令、怪潜水艦は、もう間もなく、海底|突堤の傍に達しますよ」 その怪艦は、まるで大病人のように、ぐわーっと進むかと思....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
つも渡欧の途中、上海や香港へのヘルメット姿における上陸を思い浮べる。私自身が船を突堤にすてている旅行者の心となる処に、甚だ軽快な味を感じる。同時にそのあらゆる国....
台湾の姿態」より 著者:豊島与志雄
ている。台北を本島の臍とすれば、基隆は足であり、高雄は手である。この高雄の港口の突堤の上で、私は変なことを考えた。嘗て或る人が或る子供に向って、東京市内には上り....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の灌木《かんぼく》が植えられ、野生の植物がいっぱいはえており、切り石のおおげさな突堤で限られていて、その突堤には二重の脹《ふく》れのある柱の欄干がついている。そ....
だいこん」より 著者:久生十蘭
その沖をアメリカの駆逐艦が一隻、斜めにかしぎながらえらい勢いですっ飛ばして行く。突堤のそばの海軍のテントにみなさんがいた。逗子組の初子さん、ベティさん、葉山組の....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
二 アンチーブの灯台の蒼白い光芒が、海の上を手さぐりはじめる。瞬間、突堤《ジュッテエ》の腹を白く浮きあげ、よろめくように水平線の向うへ這いずってゆく....
金狼」より 著者:久生十蘭
ですが、一方、売り飛ばされた方は、なにしろ気候が違うのと仕事が荒いので、第二期の突堤工事が出来たときには、二百人のうち生き残ったのは、わずか五七人だけだったそう....
環礁」より 著者:中島敦
かめたり小手を翳《かざ》したりしながら、我々の船の方を見ている。 潮の関係で、突堤には着けられなかった。岸から半丁ほど離れて船が泊ると、迎えの独木舟《カヌー》....
姫柚子の讃」より 著者:佐藤垢石
、興深い話である。 酒田港は、出羽の名川最上川の河口にある。遠く海に突きだした突堤が、二、三千メートルもあろうか。その突堤の上に、夜となく昼となくいつも二、三....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
かるのち、オテルサヴォイの露台《テラス》に坐り込んで、アルベエル・エドゥアールの突堤《ジコテ》に続く棕櫚散歩道《パルム・ビーチ》をおもむろに眺めるところ、行くさ....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
一、天機|洩《も》らすべからず花合戦の駆引き。駘蕩《たいとう》たる紺碧の波に浮ぶ、ここは「|ニース突堤遊楽館《カジノ・ド・ラ・ジュテ・ド・ニース》」の華麗なる海上大食堂。玻璃《ガ....
澪標」より 著者:外村繁
うららかな春の湖の風景が眺められた。 また、その庭の石段を下りると、石を組んだ突堤が湖水の中に突き出ている。左手には、近く長等山や、比叡山や、比良の山脈が見ら....
放浪」より 著者:織田作之助
で船足が遅れて、別府湾にはいったのはもう夜だった。山の麓の灯が次第に迫って来て、突堤でモリナガキャラメルのネオンサイン塔が点滅した 船が横づけになり、桟橋にぱ....