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突如
「突如〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
突如の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「葱」より 著者:芥川竜之介
恋愛と芸術とに酔っていた、お君さんの幸福な心の中には、そこに潜んでいた実生活が、
突如としてその惰眠から覚めた。間髪《かんはつ》を入れずとは正にこの謂《いい》であ....
「或る女」より 著者:有島武郎
た事があるのよ」
「さすがはお前だよ」
「だから愛想《あいそ》が尽きたでしょう」
突如としてまたいいようのないさびしさ、哀《かな》しさ、くやしさが暴風のように襲っ....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
八の気分を漾わせて、突出し店の硝子戸の中に飾った、五つばかり装ってある朱の盆へ、
突如立って手を掛けると、娘が、まあ、と言った。 ――あら、看板ですわ―― い....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
る。 被登録者の意志と知識の外においてなされた登録が、いったん効力を発生するや
突如として被登録者の意志と利益を蹂躙してあますところがない。すなわちこの名簿に登....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
隣の家にうかうか半年を過ごしたのである。その年もようやく暮れて、十二月半ばごろに
突如として省作の縁談が起こった。隣村|某家へ婿養子になることにほぼ定まったのであ....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
六 いささか長いに閉口するだろうが、いま一節を君に告げたい。この春東京へは
突如として牛疫が起こった。いきおい猛烈にわが同業者を蹂躙しまわった。二カ月の間に....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
ンチキ、チャンチキ、嘲けるがごとくに囃す。…… がらがらと鳴って、電車が出る。
突如として、どどん、じゃん、じゃん。――ぶらぶら歩行き出すと、ツンツンテンレン、....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
ら顔の継母は更めて、男の前にわざとらしく小腰、――と云っても大きい――を屈めた。
突如噛着き兼ねない剣幕だったのが、飜ってこの慇懃な態度に出たのは、人は須らく渠等....
「狂女」より 著者:秋田滋
た。獲物はすぐに見つかったが、そのそばに髑髏が一つころがっていた。それを見ると、
突如として例の狂女の記憶が、拳固でどんと突かれでもしたように、僕の胸のなかに蘇っ....
「墓」より 著者:秋田滋
女の亡骸が墓穴に移され、その棺のうえに土がかけられてしまうと、わたくしの精神は、
突如として、はッきり冴えて来たのであります。わたくしは怖ろしい精神的な苦しみを悉....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
食事を了ってからのことである。私にはすべてのものの無のうえに新たな一と条の光明が
突如として現れて来たのだ。 私はこれで元は快活な人間だったのである! 何を見て....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
は、老人の顔に自分の顔がくッつくほど、ぐッと身をかがめた。そして、幼い頃の記憶が
突如としてその胸に蘇って来たのだろう、こう答えた。 「お父ッあんのピエールとおッ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
せんが、綺麗な大形の扇を帯に打込んで、せかせかおいでなさって、(持って行く。)と
突如おっしゃる。勿論、お代済でございますし、しかし、お風呂敷か何か、と云うのに、....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
の決議文を朗読したまではよかったが、雄弁会幹事戸叶武君が演説を始めようとすると、
突如、相撲部、柔道部の部員が襲いかかってきたので、会場は一大修羅場と化した。また....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
洋史の大筋を一度復習して見たい気になり、中学校の教科書程度のものを読んでいる中に
突如、一大電撃を食らった。私は大正八年以来、日蓮聖人の信者である。それは日蓮聖人....