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突張
「突張〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
突張の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
婆さん。 主は気が長いで、大方何じゃろうぞいの、地蔵様|開眼が済んでから、杖を
突張って参らしゃます心じゃろが、お互に年紀じゃぞや。今の時世に、またとない結縁じ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
、我等と一所に働いた奴だ。人に悪事は饒舌まい。惜くも無し、心配も無いが、高田の業
突張、大層怒ってな。お藤がなくなったら即金で千円返せ、返さなけりゃ、訴えると言い....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
安ものの中皿に、葱と菎蒻ばかりが、堆く、狩野派末法の山水を見せると、傍に竹の皮の
突張った、牛の並肉の朱く溢出た処は、未来派尖鋭の動物を思わせる。 ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ず、続けざまに急込んだ、自分の声に、町の中に、ぬい、と立って、杖を脚許へ斜交いに
突張りながら、目を白く仰向いて、月に小鼻を照らされた流しの按摩が、呼ばれたものと....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、片隅に立掛けた奴だが、大蝦蟆の干物とも、河馬の木乃伊とも譬えようのねえ、皺びて
突張って、兀斑の、大古物の大かい革鞄で。 こいつを、古新聞で包んで、薄汚れた兵....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
海苔と来て、おひけとなると可いんだけれど、やっぱり一人で寝るんだから、大きに足が
突張るです。それに母様が来たから、ちっとは小遣があるし、二三時間駈出して行って来....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
かで陰気な顔を、がっくりがっくりと、振り振り、(ぴい、ぷう。)と笛を吹いて、杖を
突張って流して歩行きますと、御存じのお客様は、あの小按摩の通る時は、どうやら毛の....
「海異記」より 著者:泉鏡花
になって、ほとりの波の上へ落ちたがね、からからと明くなって、蒼黒い海さ、日の下で
突張って、刎ねてるだ。 まあ、めでてえ、と皆で顔を見たっけや、めでてえはそれば....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
に呼んでみたが、寂寞たる事、くろんぼ同然。 で、操の糸の切れたがごとく、手足を
突張りながら、ぐたりと眠る……俗には船を漕ぐとこそ言え、これは筏を流す体。 そ....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
畝道の出口へ、おなじものが、ふらふらと歩行いて来て、三個になった。三個が、手足を
突張らかして、箸の折れたように、踊るふりで行くと、ばちゃばちゃと音がして、水から....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ぶくぶくと掛けている。 (幹もやれよ。) と主人が、尻で尺蠖虫をして、足をまた
突張って、 (成程、気がかわっていい、茸は焼けろ、こっちはやけだ。) その挙げ....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
糖なぞは、お婆さんが白髪に手抜を巻いて商う。何でも買いなの小父さんは、紺の筒袖を
突張らかして懐手の黙然たるのみ。景気の好いのは、蜜垂じゃ蜜垂じゃと、菖蒲団子の附....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ます。 近在の人と見える。風呂敷包を腰につけて、草履|穿きで裾をからげた、杖を
突張った、白髪の婆さんの、お前さんとは知己と見えるのが、向うから声をかけたっけ。....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
いかげん》に願いますぜ。」 と前垂《まえだれ》を横に刎《は》ねて、肱《ひじ》を
突張《つッぱ》り、ぴたりと膝に手を支《つ》いて向直《むきなお》る。 「何、串戯《....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ので、やむことをえず私《わし》は跨《また》ぎ越した、とたんに下腹《したっぱら》が
突張《つッぱ》ってぞッと身の毛、毛穴が残らず鱗《うろこ》に変って、顔の色もその蛇....