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「突込む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

突込むの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
ぎかけて、 「久しぶりで、私が洗って差上げましょう。」と、脱いだ上衣を、井戸側へ突込むほど引掛けたと思うと、お妙がものを云う間も無かった。手を早や金盥に突込んで....
朱日記」より 著者:泉鏡花
取って、乳を分けて朱い人。と引かれて、カチカチと、何か、歯をくいしめて堪えたが、突込む筆の朱が刎ねて、勢で、ぱっと胸毛に懸ると、火を曳くように毛が動いた。 「あ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
りてった、あの、凄い蒼白さは、どうです。 もう一人、) と私の脇の下へ、頭を突込むようにして、附着いて、低く透かして、 (あれ、ね、床の間の柱に、仰向けに凭....
みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
をたたいても聞えないし、――弱ったよ。」 「あれ。」 と首も肩も、客を圧して、突込むように入って来て、 「こんな大い内で、手を敲いたって何が聞えるかね。電話が....
鷭狩」より 著者:泉鏡花
めに髪を結って化粧したお澄の姿に、満悦らしい鼻声を出した。が、気疾に頸からさきへ突込む目に、何と、閨の枕に小ざかもり、媚薬を髣髴とさせた道具が並んで、生白けた雪....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
て、行燈の火を燃して取って、長羅宇でつけてくれるか。」 と中腰に立って、煙管を突込む、雁首が、ぼっと大きく映ったが、吸取るように、ばったりと紙になる。 「消し....
南地心中」より 著者:泉鏡花
手代――君が云う、その美少年の猿廻。」 十二 「急いで手拭を懐中へ突込むと、若手代はそこいらしきりに前後を※した、……私は書割の山の陰に潜んでいた....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
て、手を懐中に暖めたとあっては、蕎麦屋の、もり二杯の小婢の、ぼろ前垂の下に手首を突込むのと軌を一にする、と云って斥けた。良策の用いられざるや、古今敗亡のそれこそ....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
クックックッといい出した。 恐しい鼻呼吸じゃあないか、荷車に積んだ植木鉢の中に突込むようにして桔梗を嗅ぐのよ。 風流気はないが秋草が可哀そうで見ていられない....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
」 「ははあ、対手の貴婦人だね。」 「そんな事を言わないで、」 と吸口をもっと突込む。 「可いじゃないか、何も貴婦人と云ったって、直ぐに浮気だ、という意味では....
」より 著者:井上紅梅
按排した。その側で老栓は一つの青い包と、一つの紅白の破れ提灯を一緒にして竈の中に突込むと、赤黒い※が渦を巻き起し、一種異様な薫りが店の方へ流れ出した。 「いい匂....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
忍して下さい。だもんですから、」ずっと、長火鉢の前を悠々と斜に過ぎ、帯の間へ手を突込むと小さな蝦蟇口を出して、ちゃらちゃらと箪笥の上に置いた。門口の方を透して、....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
だ可いのに、渇えているので、ほとんど本能の勢、といった工合で、呑込むと、焼火箸を突込むように、咽喉を貫いて、ぐいぐいと胃壁を刺して下って行く。……打倒れました。....
式部小路」より 著者:泉鏡花
だってば。」 「串戯じゃねえ、ちょいと知らしてくれりゃ可いんだ、」 と膳の下へ突込むように摺り寄った。膝をばたばたとやって、歯を噛んで戦いたが、寒いのではない....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
思っても知れよう、これをそのままで引取る法があるものか。 推し返す、遣返す――突込む、突放す。引立てる、引手繰る。始末がつかない。 私でさえ、その始末のつか....