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突進
「突進〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
突進の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
開くや否や、猛然と悪戯《いたずら》な女たちの方へ、二足《ふたあし》三足《みあし》
突進した。
彼等はしかしその瞬間に、素早く林の外へ逃げて行った。彼は茫然と立ち....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
町はずれの狭く急なる曲がりかどを争うと見えたりしが、人力車《くるま》は無二無三に
突進して、ついに一歩を抽《ぬ》きけり。 車夫は諸声《いっせい》に凱歌《かちどき....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
る箱の最も板の薄い処、もしくは空隙(現代社会組織の欠陥)に向ってまったく盲目的に
突進している。今日の小説や詩や歌のほとんどすべてが女郎買《じょろうがい》、淫売買....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
要などは、なくなります。 敵の大将は、ナポレオンが一点に兵を集めて、しゃにむに
突進して来ると、そんなことは無理じゃないか、乱暴な話だ、彼は兵法を知らぬなどと言....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
水の上に、小さな虫が落ちると、今まで下の方ですましていた奴が、いきなり上を向いて
突進してくる。パクッと、あたりの静けさを破る音とともに、虫は水の下へ、魚の腹へ、....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
た。これはことだと思ったがやむを得ぬ。スキーがやっと並ぶようなしかも急な木の間を
突進するのだ。運は勿論天にまかした。寝るように身体を低くして、枝の間をあっという....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
易いものと心易いものが、お互いに死出の友を求めて組みし合い、抱き合うばかりにして
突進した。今から思て見ると、よく、まア、あないな勇気が出たことや。後について来る....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
も。たしかにこの部屋にあるんだ。だから探し出さずには置かないぞ――とこういう風に
突進していかなくちゃ、そこに顔を出している宝だって、見つかりはしないよ。引込思案....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
たな」 杉田は痛手をこらえよろよろと起きあがると、いま入ってきた入口の扉の方へ
突進した。 扉のところには、さっきのボーイが立っていた。そのボーイの手には、い....
「風波」より 著者:井上紅梅
振り上げ、さながら無形の蛇矛を握っているような体裁で、八一ねえさんに向って幾歩か
突進した。「お前は彼に抵抗することが出来るか」 八一ねえさんは腹立ちのあまり子....
「取舵」より 著者:泉鏡花
天俄に掻曇りて、※と吹下す風は海原を揉立つれば、船は一支も支えず矢を射るばかりに
突進して、無二無三に沖合へ流されたり。 舳櫓を押せる船子は慌てず、躁がず、舞上....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
坂を駈下りて転がるように停車場に飛込みざま切符を買った処へ、終列車が地響き打って
突進して来た。ブリッジを渡る暇もないのでレールを踏越えて、漸とこさと乗込んでから....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
要があろう、士気は前よりもさらにあがる。しばらくは天候の回復する日を待ち、極地に
突進して先鞭をつけんとするのである。私は豪都シドニーにおいてはじめて会い、杯をあ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
なって私は阪大に事実を打ちあけ謝罪したのである。真の裸一貫から清い成功への一路を
突進しようと決心した私だが、そのためには親類縁者との交渉を断ち、いっさいの虚飾を....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
から一点に兵力を集中してそこを突破すれば良いように考えられるが、突破しても爾後の
突進力を欠き、却って背後を敵に脅かされて後退の余儀なきに至り、ややもすればその後....