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「窓下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

窓下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
得《え》ざるなり」 とそれは書きだしてあった。 「昨夜二更一匹の狗子《くし》窓下に来ってしきりに哀啼《あいてい》す。筆硯《ひっけん》の妨げらるるを悪《にく》....
生きている腸」より 著者:海野十三
の前に第四病舎が現われた。 (南から三番目の窓だったな) 彼はおそれげもなく、窓下に近づいた。そこには蜜柑函らしいものが転がっていた。これも熊本博士のサーヴィ....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
ちもでございますな。両方だろうと思うんでございますが。」 料理番の伊作は来て、窓下の戸際に、がッしり腕組をして、うしろ向きに立って言った。 「むこうの山口の大....
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
「うむ――」 僕は鉄扉を開くと、スルリと外へ出た。そして腰をかがめて、詰所の窓下を通りぬけ、あとは廊下をなるべく音をたてずに疾走したのだった。 「なにをしと....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
いのが、せめてもの幸いだったと、弦三は思った。 「おお、これは――」 その家の窓下で、弦三は不思議な音楽を耳にした。 それは正しく、この家の中から、している....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
つからすこし灯《ひ》が洩《も》れているので、一同はそれを目当《めあ》てにしてその窓下へ身をひそめたわけである。 ジイイイ……と、妙な音が、室内にしている。 ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
に沈めて、天井を睨んでいたのが、むっくり、がばと起きると、どたりと凭掛ったまま、窓下の机をハタと打った。崖下の雪解の音は余所よりも。…… いま、障子外の雨落の....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
らと頭を取って仰向けに引落される――はっとすると、もう横手へ退く。 その内に、窓下の点滴が、ますます床へ浸出すそうで、初手は、件の跫音とは、彼これ間を隔てたの....
星女郎」より 著者:泉鏡花
へ斬付ける。天窓がはっと二つに分れた、西瓜をさっくり切ったよう。 処へ、背後の窓下の屋根を踏んで、窓から顔を出した奴がある、一目見るや、膝を返しざまに見当もつ....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
で沈むばかりの羽根毛蒲団に、ふっくりと、たんぜんで寛いだ。…… 寝床を辷って、窓下の紫檀の机に、うしろ向きで、紺地に茶の縞お召の袷羽織を、撫肩にぞろりと掛けて....
旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
けて、町の丘から、お城のほうへ、ひらひらとんでいきました。それから王女の寝べやの窓下に来て、そっと片すみにしのんでいました。 町はひっそりしていました。ちょう....
兎と猫」より 著者:井上紅梅
たしの母も彼等の家族の繁栄を喜び、生れて乳離れがしたら、二匹別けて貰ってこちらの窓下で飼ってみようと言った。 彼等はそれから自分で造った洞府《あなぐら》の中に....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
、永い日も、午から雨もよいの、曇り空で、長屋建の平屋には、しかも夕暮が軒に近い。窓下の襖際で膳の上の銚子もなしに――もう時節で、塩のふいた鮭の切身を、鱧の肌の白....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
庵の小窓に、少し乱れた円髷の顔が覗いて、白々と、ああ、藤の花が散り澄ますと思う、窓下の葉蘭に沈んで、水の装上った水盤に映ったのは、撫肩の靡いた浴衣の薄い模様です....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
壁にはりんごの絵が残されて、千年朽ちざる書と知ったのである。) 探古感殊深、読書窓下当年燭、照到天人造化心。 (残された跡を探して古屋のかたわらに座し、今を考え....