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窓前
「窓前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窓前の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「HUMAN LOST」より 著者:太宰治
思いは、ひとつ、
窓前花。 十三日。 なし。 十四日。 なし。 十五日。 かくまで深き、 十六日....
「軽井沢」より 著者:寺田寅彦
黍、甘藷、桑などの田畑が、単調で眠たい田園行進曲のメロディーを奏しながら、客車の
窓前を走って行くのである。何々イズムと名のついたおおかたの単調な思想のメロディーのようにあとへあとへと過ぎ行くのである。....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
やかに玻璃窓にさし込みつ。山は朝霧なお白けれど、秋の空はすでに蒼々と澄み渡りて、
窓前一樹染むるがごとく紅なる桜の梢をあざやかに襯し出しぬ。梢に両三羽の小鳥あり、....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
信吉はゆっくりそこまで行って、トントンと踵で嵌めこもうとした。 嵌らない。
窓前の油布のかかったテーブルに、グリーゼルがその上で食物を拵えてた石油焜炉とコッ....
「舗道」より 著者:宮本百合子
りした心になっているのであった。 洗濯物を洗面器へ入れてもって上り二階の自分の
窓前の細い竹竿にかけていると、下で、 「今日は……」 という声がする。小母さんが....
「日は輝けり」より 著者:宮本百合子
秋もだんだん末になって来た。肌寒い或る晩、机に向っている浩の目には、ちょうど
窓前の空地にたった一本ある桜の若木が眺められた。青く動かない空の前に、黒く浮いて....
「コーヒー哲学序説」より 著者:寺田寅彦
んであったがコーヒーはよいコーヒーをのませてくれた。ここの二階で毎朝寝巻のままで
窓前にそびゆるガスアンシュタルトの円塔をながめながら婢のヘルミーナの持って来る熱....
「石油の都バクーへ」より 著者:宮本百合子
に物を書いていたら、薄いカーテンに妙に青っぽい閃光が映り、目をあげて外を見ると、
窓前のプラタナスに似た街路樹の葉へも、折々そのマグネシュームをたいた時のような光....
「ピンカンウーリの阿媽」より 著者:豊島与志雄
ろうか。もとより、用事の手紙ではなく、眼にふれ耳にはいる事柄の、埒もない独白だ。
窓前の木の枝に小鳥が鳴いてるとか、薄霧がはれて日の光りがさしてきたとか、象牙のパ....
「郷愁の詩人 与謝蕪村」より 著者:萩原朔太郎
るとも解されるが、むしろその乾隅の部屋――それは多分隠居部屋か何かであろう――の
窓前に、柚の花が咲いていると解する方が詩趣が深い。旧家の奥深く、影のささないひっ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
領事代理船津辰一郎氏に面会し、同氏の好意により香港倶楽部楼上において午餐を喫す。
窓前に踞して湾内を一瞰すべし。新聞室、図書室の設備あり。午後市街を散歩し、日本人....