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「窓明り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

窓明りの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
ありと目の前に髣髴《ほうふつ》した。シルク・ハットは円筒《えんとう》の胴に土蔵の窓明りを仄《ほの》めかせている。そのまた胴は窓の外《そと》に咲いた泰山木《たいざ....
将軍」より 著者:芥川竜之介
だか不潔に感じられた。腹巻の中には三寸ばかりの、太い針がはいっていた。旅団参謀は窓明りに、何度もその針を検《しら》べて見た。が、それも平たい頭に、梅花《ばいか》....
巡査辞職」より 著者:夢野久作
であった。 そうしてそれから後《のち》、小高い深良屋敷を囲む木立の間から眩しい窓明りと共に、朗らかなラジオの金属音が、国道添いの村の方へ流れ落ち初めたのであっ....
妖術」より 著者:泉鏡花
……壁に掛けた籠に豌豆のふっくりと咲いた真白な花、蔓を短かく投込みに活けたのが、窓明りに明く灯を点したように見えて、桃の花より一層ほんのりと部屋も暖い。 用を....
」より 著者:徳田秋声
、深い眠りに沈んでいる町から町を彷徨い、静かな夜にのみ蘇生っている、深山の書斎の窓明りを慕うて行ったころのことを思い出していた。そして、しらしらした夜明け方に、....
幽霊と推進機」より 著者:夢野久作
いるのを発見したので、ビックリしながら手を引いた。その二人の背後からは、夕映えの窓明りがピカピカとさし込んでいたが、それでも二人の服装が、細かい処まで青白くハッ....
ああ華族様だよ と私は嘘を吐くのであった」より 著者:渡辺温
ある東京ホテルの玄関を敲いた。 『何国?――』と云う声と共に、傍の小窓が開いた。窓明りを背負って現われた黒い女の顔は、玄関の扉にくっ着いているアレキサンダー君よ....
恐竜島」より 著者:海野十三
かけてあって、白い湯気《ゆげ》を上らせながら湯がわいていた。 天井に具合のよい窓明りがあって、そこから光が太い帯をなして流れこんでいた。 ラウダは小さい缶に....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
動いてくれない。仕方なしに、あれから路の無い雪を分けて、矢来の中をそっちこっち、窓明りさえ見れば気兼をしいしい、一時ばかり尋ね廻った。持ってた洋傘も雪に折れたか....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
かな 湖を抱いて近江の小春かな 釜に湧く風邪の施薬や小春寺 冬の夜や小犬啼きよる窓明り 僧定に入るや豆腐の氷る時 耳うとき嫗が雑仕や冬ごもり 書を積みし机二つや....
丹下左膳」より 著者:林不忘
が、くすぐるようにごろ寝している栄三郎の耳に通う。かれはむっくりと起きあがって、窓明りに坤竜丸の鞘を払った。 うすぐらい部屋に、一方の窓から流れこむ陽が坤竜丸....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
る。 (2) (イ)福引や花瓶の前の知事夫人 静廼女 (ロ)雪道や降誕祭の窓明り 久女 (ハ)水汲女に門坂急な避暑館 同 (イ)、新年宴会か何ぞ....
偽刑事」より 著者:川田功
居る様な熱心さで彼女の細かい動作を一つも見逃さない様に努めた。一|掴みの半襟地を窓明りに翳しては元の位置へ置き、又他の一|掴を取上げて同じ事を繰返して居た。と、....