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窮迫
「窮迫〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窮迫の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
えにしたクレオパトラの插話《そうわ》を思い出していた。クレオパトラが自分の運命の
窮迫したのを知って自殺を思い立った時、幾人も奴隷《どれい》を目の前に引き出さして....
「或る女」より 著者:有島武郎
ると木部はずっとさばけた男らしくなっていた。その服装がいかにも生活の不規則なのと
窮迫しているのを思わせると、葉子は親身《しんみ》な同情にそそられるのを拒む事がで....
「出世」より 著者:菊池寛
た暗い生き甲斐のない生活をあわれむ心は、少しも変っていなかった。 彼がどんなに
窮迫しているときでも、図書館へ行って、彼らが昔ながらにあの暗い地下室で蠢いている....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
と、血みどろになって一人でそこに倒れていた。呼吸はもう困難どころではなくほとんど
窮迫していた。 「これはいけない。」 と僕は思いながら、ようやく壁につかまって....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
復一の研究費は三分の一に切詰めることを鼎造に向って承知して来たにも拘らず、鼎造の
窮迫を小気味よげに復一に話した。 それを他人事のように聞き流しながら、復一は関....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
あるから、有頂天になるのは無理もないが、余りにも公卿第一の夢の実現に急であった。
窮迫した財政の内から、荘厳なる大内裏の造営を企てたりした。其他地方官として赴任し....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
いている。然し、家の方は僕が発見した時にはもう身代限りをして跡かたもなく、陋巷に
窮迫しているという有様だった。而も、安蔵は病の床に伏し、妻の清子は身重だった。 ....
「火星探険」より 著者:海野十三
いた。 はじめの調子の良さにくらべて、途中から険悪《けんあく》さを加えてのこの
窮迫《きゅうはく》である。少年大使の運命はどうなることか。 形勢険悪 一....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
を家に養わない時代も珍らしいといっていいだろう。最も近代生活は画家をしていよいよ
窮迫の底へ沈めて行く傾向もあるからやむをえない事かも知れない。また近代位い書生や....
「婦人と職業」より 著者:倉田百三
す減じつつある。強いてやっていけるにしても、それよりも就職して収入を増し、家庭の
窮迫を救いたくなるであろう。そしてそのことはまた家庭の団欒と母性愛を損じる。 ....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
たのが私には何よりも悲しい。それはどんな物質的欠乏よりも惨めだ。心の余裕は物質の
窮迫を克服する力を持つている。逆境のどん底に楽天地を発見する力を持つている。砲弾....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
まつたのには驚いた。どうも母親の愛情は父親の愛とは本質的に違うようだ。食糧事情が
窮迫してからは、ほかからどんなに説教しても自分が食わないで子供に食わせる。そして....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
ブルジョアジーのイデオロギーを反映していたあとが見られる。そして、独歩自身は多く
窮迫の生活をしたにかゝわらず、階級的には支配階級の立場に立っていた。その階級的制....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
までも仏人に任せたり。 小栗等の目的は一意軍備の基を固うするがために幕末|財政
窮迫の最中にもかかわらず奮てこの計画を企てたるに外ならずといえども、日本人がかか....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
人、その日の糧にも困んでいた折から。 何、ところが、大学生も、御多分に洩れず、
窮迫していて、暑中休暇は、いい間の体裁。東京の下宿に居るより、故郷の海岸で自炊を....