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窺く
「窺く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
窺くの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、今度は其の意に従って家の裏口へ廻って見ると茲も戸が閉って居るが、窓の硝子越しに
窺くと薄暗い中に、何とも評し様のないほど醜い老人の顔が見えて居る。人間よりは寧ろ....
「睡蓮」より 著者:横光利一
暫くの間、私はこのあたりに無言でせっせっと鍬を入れて来た自分の相棒の内生活を
窺く興味に溢れ、なお高次郎氏の歌集を読んでいった。妻を詠い子を詠う歌は勿論、四季....
「うつり香」より 著者:近松秋江
。 「僕は、お前とここで話しをしているねえ」柳沢はふざけたようにも一人の女の顔を
窺くように見ていった。 私は、自分の慎むべき秘密を人にあけすけに見ていられるよ....
「霜凍る宵」より 著者:近松秋江
るのを恐る恐るそこらに足を踏み掛けてそっと※子格子に取りついて身を伸び上って内を
窺くと、表の四畳半と中の茶の間と両用の小さい電燈を茶の間の方に引っ張っていって、....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
の陰を脱けて、湯殿の横からコークス殻を敷いた水口へ出た。障子の蔭からそっと台所を
窺くと、誰もいなかったが、台所の模様はいくらか変っていた。瓦斯など引いて、西洋料....
「獄中記」より 著者:大杉栄
細く削ったこの「のぞき穴」は、そとからうちを見るには便宜だろうが、うちからそとを
窺くにはまずかったので、こんどは蹲がんで、そっと「食器口」の戸を爪で開けて見た。....
「嬰寧」より 著者:田中貢太郎
、皆清らかで沢のある物ばかりであった。 王が腰をおろすと、窓の外へだれかが来て
窺くのがちらちら見える。老婆が、 「小栄、早く御飯をこしらえるのだよ。」 とい....
「山の湯の旅」より 著者:上村松園
てきます。ことにその木の間からは、六月だというのに、遠い山の雪の白さなどがちらと
窺くやら、遅桜がほろほろ見える気持ちなどは、恐らく微妙な一幅の絵画で、私もその画....
「暗黒星」より 著者:黒岩涙香
を吐くのであろう、その輝きの強い事は、もう見ていることが出来ぬほどだ。勿論太陽を
窺く目鏡は光線を避ける為に黒く塗ってある、しかしそれですらも眩しくて見ていること....