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「立ち往生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立ち往生の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
金山揷話」より 著者:大鹿卓
過すると、 「ああ、銀山だ。この辺は吹雪の多いところだ。十二月になると時々汽車が立ち往生することさえあるよ」 同行の土田がそういって前の席から説明した。土田は....
」より 著者:織田作之助
急を知らせてくれ、お君がかけつけると、黄昏の雪空にもう灯りをつけた電車が二十台も立ち往生し、車体の下に金助の体が丸く転っていた。ギャッと声を出したが、不思議に泪....
昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
いや、しかし、勇敢ですな」 「でも、窓からでないと……。プラットホームで五時間も立ち往生してましたわ。おかげで……」 「しかし、驚きましたなア。もっともロミオと....
まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
医者のフォスタアさんが、 グロオスタアへいって、 にわか雨にあって、 水たまりに立ち往生して、 おへその上まで水びたり。 それから二度とはようゆかぬ。 きれい....
牛若と弁慶」より 著者:楠山正雄
体じゅうに矢を受けながら、じっと立って敵をにらみつけたまま死んでいたので、弁慶の立ち往生だといって、みんなおどろきました。....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
」と思っていた、面|喰った監督は、夢中になって無電室にかけ込んだが、ドアーの前で立ち往生してしまったこと、どうしていいか分らなくなって。 ロ、漁期が終って、函館....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
送り出した長持は隣宿の妻籠で行き止まり、翌朝中津川から来た長持は馬籠の本陣の前で立ち往生する。荷物はそれぞれ問屋預けということになったが、人馬継立ての見分として....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ろは深い雪が浪士一行を埋めた。家数四十軒ほどある新保村まで行って、一同はほとんど立ち往生の姿であった。その時の浪士らはすでに加州|金沢藩をはじめ、諸藩の大軍が囲....
夏目漱石先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
去の文士のOというのであった。連れて来たM君はこの意外の光景にすっかり面食らって立ち往生をしたそうであるが、その時先生のこの酔漢に対する応答の態度がおもしろかっ....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
くないでしょう。生き埋めになったか、おぼれかけたか、あるいは汽車がトンネルの中で立ち往生したというような経験をもたぬ人々はおそらく空気について考える機会があまり....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
据《す》える代りに、打ち据えるとすぐ向うから局面を変えてくれて、相手に見苦るしい立ち往生などはけっしてさせない鮮《あざ》やかな腕を有《も》っているのにと敬太郎は....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
であってくれればいいと思ったが、男であった。磯五であった。磯五は、そこの橋の上に立ち往生をして下から吹き上げる風のために面白いけしきになっている女を、お高とは知....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ぎ》れこみ、こけ猿の茶壺をかつぎだしたのです。引出物がなくては、お婿さんの行列は立ち往生。 一同、品川で足どめを食った形。あの辺の青楼《せいろう》やなんかは、....
丹下左膳」より 著者:林不忘
ねえナ。よし、それでは……と、アそうだ、こんどは、按摩《あんま》が犬にほえられて立ち往生の光景! ハッ!」 ポンと手をたたいたチョビ安、案山子《かかし》のよう....
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
かったが、――そこにストキが立っているではないか――ああ、困った。彼は字義どおり立ち往生した。 ストキは平気だった、「初めやがった」と彼は思っていた。 「そこ....