立ち所[語句情報] » 立ち所

「立ち所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立ち所の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
長たちを見やりながら、 「打たば打て。取らば取れ。但《ただし》、天上皇帝の御罰は立ち所に下ろうぞよ。」と、嘲笑《あざわら》うような声を出しますと、その時胸に下っ....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
この婆に憑《つか》らせられた婆娑羅《ばさら》の大神に逆《さかろ》うたてや。されば立ち所に神罰を蒙って、瞬く暇に身を捨ちょうでの。おぬしには善い見せしめじゃ。聞か....
屋上の狂人」より 著者:菊池寛
吊しておいて青松葉で燻《くす》べてやれ。わしの申すこと違《たが》うにおいては神罰立ち所に至るぞ。(巫女ふたたび昏倒する) 皆 へへっ。 巫女 (再び立ち上りな....
浮浪漫語」より 著者:辻潤
な要求だそうである。しかし、僕はそのゼイタクを望むのである。それさえ出来れば僕は立ち所に幸福人になり得ると思う。それが満たされない限り、如何にその他の慾望が満た....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
死にもの狂いで探していたものは何だったか覚えているだろう。それが官憲に知れると、立ち所に君は殺人魔として捕縛されるところだった。僕はそれを西一郎の手を経て君の手....
島原の乱」より 著者:菊池寛
天主像を秘かに拝して居たのを、此頃に至って公然と衆人に示して、勧説するに至った。立ち所に帰する者七百人に及んだが、領内の不穏を察して居た有馬藩では、之が逮捕に、....
光の中に」より 著者:金史良
私は自分に云い聞かせるのだった。彼がどうこれから豹変するかは知らない。寧ろ又私を立ち所に裏切るには違いない。だが頑なにこちこちといじけ固っていた気持を、ほんの少....
天馬」より 著者:金史良
ル、お寺という想念が雲母《うんも》の如くぎらぎらと光を帯びて正面に塞がるけれど、立ち所に又激しい砂風におおいまくられてしまう。何だか薄寒い日である。今に月でも出....
夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
外血量の測定をする必要はあると思うね。吸うのもいいだろうが、吸血鬼でも人間じゃ、立ち所に恐ろしい生理が起ってしまうぜ」と検事が尤もらしく呟くのを、法水は嘲けり返....
三国志」より 著者:吉川英治
、すさまじい語気でいいつけた。 出来合いの平和主義も、意のままにならないので、立ち所に憤怒の本相をあらわす気とみえる。彼が立腹したら何をやりだすか分らない。紀....
三国志」より 著者:吉川英治
ることです。蜀が一部の地を割いて曹操に与え魏蜀|提携して呉へ南下して来たら、呉は立ち所に、四分五裂の敗を喫し、ふたたび長江に覇を載せて遡ることはできないでしょう....
三国志」より 著者:吉川英治
に筏に火をつけて下流へ押しながし、敵の浮橋を焼き立て、西岸の夏侯軍を捕捉し、また立ち所に、渭水の南岸へ兵を上げて、そこの魏本陣を乗っ取らんという画策を立てた。 ....
つまり詩は亡びる」より 著者:山之口貘
清算しなくてはなるまい、というような意味のことを言ったことに対し、フランス人氏は立ち所に、それは日本的考え方だよ、とか言ったという。 僕は、そのフランス人氏の....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
散歩に出かけるかね。』 『そりゃ勿論神楽坂だ。殆ど毎晩のように出かける。』と私は立ち所に有りのままを答えた。 『そんなに神楽坂はいいかね。』 『そう大していいと....