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立ち聞き
「立ち聞き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立ち聞きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
いたん》にも忍んで行ったのです。わたしは囲いの障子越しに、一切《いっさい》の話を
立ち聞きました。
「お父さん。北条屋《ほうじょうや》を救った甚内《じんない》は、....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
った。毛虫は互に頷《うなず》き頷き、彼のことか何か話しているらしい。保吉はそっと
立ち聞きすることにした。
第一の毛虫 この教官はいつ蝶《ちょう》になるのだろう....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
ち》へ帰ってから何心《なにごころ》なくしゃべっていたのを、禿《かむろ》の八千代が
立ち聞きして、それを八橋に訴えた。八橋は赫《かっ》となった。病気で外へも出られな....
「鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
ので私達が部屋でどんなに怒って話し合ってるか聞き耳たててたんでしょう。あの人よく
立ち聞きする人ですもの。ヤキモチと云えばあの人こそ……いつかお姉様が、久野さんや....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
、もう一度如何にも気味悪そうに云った。「ねえ番頭さん、奥へ行って、お話のご様子を
立ち聞きしておいでよ」 「へえ、お客様のお話をね」気の進まない様子であった。「失....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
父親が、今から十年ほど前、例のクラブで雑役夫として働いていたとき、クラブの集会を
立ち聞きしたというかどで、ターネフのためにピストルで撃ち殺されたのである。トラ十....
「小公女」より 著者:菊池寛
聞えたので、女史は身をかがめて、テエブル掛を捲り上げました。 「こんなところで、
立ち聞きしていたな。さっさと出ておいで。」 這い出してきたのはベッキイでした。....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
下座敷のひと間にかの四人が向かい合っていた。宿の主人や番頭も廊下に出て不安らしく
立ち聞きをしていた。 「一体このお春という婦人がお留にたのんで、富子とかいう義太....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
この話を聞きながら、わたしの初めの考えは、父親にすぐたずねてみることであったが、
立ち聞きをされたことを知らせるのは、かしこいしかたではなかった。ミリガン氏は父親....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
光に浸りながら媾曳をしている。詩じゃアないか! 詩じゃアないか! そいつを与力が
立ち聞きしている。詩じゃアないか! 詩じゃアないか! ……厭だよ、こんないい光景....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
て居りました。清廉潔白でおわすとのこと、これまた敬意を払っていました。……ただ今
立ち聞きいたしましたところ、お紅殿とやら申される女子を、不破小四郎が理不尽にも、....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
た気分が醸されたばかりか、なんとなく場近いこの木蔭へまで来たのであった。そうして
立ち聞きをしたのであった。
「偉いことになったぞ、大変だあ!」で金兵衛は地団太を....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
、いいかけたボートルレは、ふいにその手で判事の手を押えて聞き耳を立てた。 「誰か
立ち聞きをしている。」砂利を踏む音に少年は窓に走った。しかし誰もいない。 「ねえ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
元気になったようだぞ」 ここで言葉を切り、ささやいた。 「請け合うが、あの女め
立ち聞きしている!」 そして扉に飛びついて行った。しかし、扉の背後には誰もいな....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
して、魯迅さんとの連絡を考えたものもあるらしいけれども、魯迅さんと話しているのを
立ち聞きしてなにも問題がないので、しまいには来なくなってしまった。 上海で小報....