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立合
「立合〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立合の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
るものには分るように、手際よく負けたいと云う気もないではなかった。兵衛は甚太夫と
立合いながら、そう云う心もちを直覚すると、急に相手が憎《にく》くなった。そこで甚....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
「しかし僕は市会と市長との対立に、只ならぬ殺気を感ずるよ。これが昔の御前試合の
立合ででもあったら、横から出ていって
立合を中止させたいところだ。手に真剣を持って....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
定より二週間ばかり早く、刑務所を出された。出るときは、果してあの帆村とかいう探偵
立合いの下に、肉ポケットの中を入念に調べられたが、それは彼等を失望させるに役立っ....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
記の青木が、とがった口吻《くちぶり》から、気味のわるい言葉を次々に吐《は》いた。
立合いの衆《しゅう》は、いいあわせたように二三歩後へ下った。 「よおし、何が入っ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
みていたところだった。三津子は、その告白書を見たことがあり、そしてそれは亀之介が
立合っていたことを鶴彌に洩したものだから、鶴彌はこれに弟が関係していることを感付....
「鬼仏洞事件」より 著者:海野十三
案がまとまった。それはどんな案かというのに、 “では、鬼仏洞内の現場に於て、双方
立合いで、検証をしようじゃないか” ということになって、遂に決められたその日、....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
うこの辺でよろしかろう。ほう、ずいぶん手間をとらせたわい」 と、王老師は、醤|
立合いで、火葬炉の蓋をぎりぎりばったんと開けてみた。すると、あら不思議、炉の中か....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
看板に無い処は木曾もあるよ、木曾街道もあるよ。」 とばかりで、上目でじろりとお
立合を見て、黙然として澄まし返る。 容体がさも、ものありげで、鶴の一声という趣....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
いえ、若い女※が埋ってるだ。それに、久しい無縁墓だで、ことわりいう檀家もなしの、
立合ってくれる人の見分もないで、と一論判あった上で、土には触らねえ事になったでが....
「露肆」より 著者:泉鏡花
に懸けまするが、安全口金、一名火事知らずと申しまして、」 「何だ、何だ。」 と
立合いの肩へ遠慮なく、唇の厚い、真赤な顔を、ぬい、と出して、はたと睨んで、酔眼を....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
六となり、田鼠化して鶉となり、真鍮変じて銀となるッ。」 「雀入海中為蛤か。」と、
立合の中から声を懸けるものがあった。 婦人はその声の主を見透そうとするごとく、....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
井までには及びません、私の故郷からはそれから七里さきの、丸岡の建場に俥が休んだ時
立合せた上下の旅客の口々から、もうお米さんの風説を聞きました。 知事の妾となっ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
外へ歩べ。生命を取るんじゃねえからな、人通のある処が可いや、握拳で坊主にして、お
立合いにお目に掛けよう。来やがれ、」 ざらざらと落葉を蹈む音。此方の一間と壁を....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
すすり泣く声がすると、鈴が鳴った。……お久という人の、めんてんの足袋で帰るのを、
立合わせた台所から、お悦が送り出すと、尖った銀杏返を、そそげさして、肩掛もなしに....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
危い、お父さん。――早く警察へ。」 「何をし得るものだ。――いや、時にいずれも、
立合わるる、いずれも。」 運八翁は、ずかずかと横歩行きに輪の真中へ立って、 「....