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立止る
「立止る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立止るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
の音、――それからどこかでけたたましく、蒼鷺《あおさぎ》の啼く声がした。と思って
立止ると、いつか潮がさし出したと見えて、黄泥《こうでい》を洗う水の色が、さっきよ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
三
「やあ、失敬。」
大井《おおい》は下駄箱《げたばこ》の前に
立止ると、相不変《あいかわらず》図太い声を出した。が、その間《あいだ》も俊助《し....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
したけはいがあったと云います。
が、泰さんは一向無頓着に、その竹格子の窓の前へ
立止ると、新蔵の方を振返って、「じゃいよいよ鬼婆に見参と出かけるかな。だが驚いち....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
へ折れて行こうとすると、 「待て、待て」と赤井が止めた。どこへ行くつもりなのかと
立止ると、赤井は豹一をひっ張って、「此処を通ろう」とわざわざ三条通の入口からさく....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
か》いていた者は雪払《ゆきかき》を休《や》める、黄色い真綿帽子を冠った旅人の群は
立止る、岩村田|通《がよい》の馬車の馬丁《べっとう》は蓙掛《ござがけ》の馬の手綱....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
男声の合唱が鳴りひびくと、無頓着な無恥な高笑いがそれに続いた。あの青年たちはもう
立止る頃だとクララが思うと、その通りに彼らは突然阪の中途で足をとめた。互に何か探....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
れてやりながら、下り線を越えて彼等の真ン前から少しばかり西へ寄った上り線路の上へ
立止ると、白豚へ再び餌を与えてそれからクルリと周囲を見廻したんです。――どんな男....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
つけながら象牙の柄に彫られた文字を読みはじめた。がやがてみるみる眼を輝かせながら
立止ると、警部補の肩をどやしつけた。 「あなたは、この日附が見えなかったんですか....
「あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
みながらもゆっくりと路を歩いていた。そうして水溜のように淡く耀いている街燈の下に
立止るたびに、靴の上へ積った砂埃《すなぼこり》を気にするのであったが、彼自身の影....
「江戸か東京か」より 著者:淡島寒月
す。砂糖のが文久一枚、白玉が二枚という価でした。まだ浅草橋には見附があって、人の
立止るを許さない。ちょっとでも止ると「通れ」と怒鳴った頃で、その見附のズット手前....
「白痴」より 著者:坂口安吾
ろが此処は小川の両側の工場が猛火を吹きあげて燃え狂っており、進むことも退くことも
立止ることも出来なくなったが、ふと見ると小川に梯子がかけられているので、蒲団をか....
「花束の虫」より 著者:大阪圭吉
説明を聞き始めた。 一方大月は、考え込みながらぶらぶらと歩き続けていたが、ふと
立止ると、屈み込んで、何か小さなものを芝草の間の土の中から拾い上げた。それは黒く....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
一緒に散歩に出て来たんだ。(突然、駆けて行こうとする) 文麻呂 清原! 清原 (
立止る) 文麻呂 何だって云うんだい? わらべ達がどうしたって云うんだい? 清原....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
のですが、妙に節を附けて読む先生の癖をまねて、その賑かなこと、学校の傍を通る人が
立止るほどでした。 少しして小梅村へ引移りました。二百余坪の地所に、三十坪ばか....
「木曽の怪物」より 著者:岡本綺堂
で、忍び足で其の傍へ寄ると、鴨は人を見て飛ばず驚かず、徐かに二足ばかり歩いて又|
立止る、この畜生めと又追縋ると、鴨は又もや二足ばかり歩む、歩めば追い、追えば歩み....