立番[語句情報] » 立番

「立番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
な人間は困っちまいます――魚が可哀相でございますので……そうかと言って、夜一夜、立番をしてもおられません。旦那、お寒うございます。おしめなさいまし。……そちこち....
人間灰」より 著者:海野十三
時半を打ったときに交番の前を、工夫体の一人の男がトコトコと来かかった。彼の男は、立番の巡査の姿を認めると足早やにスタスタと通りすぎようとした。 「コラ、待てッ―....
階段」より 著者:海野十三
類をするためにジロジロ観察したりするのは実に耐えられないことだった。それに、この立番はその日から向う一週間に亘って続けられるというのだから、鳥渡想像してみただけ....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
した。不動様の四つの鐘のきこえるのを相図に、わたくしは竊とお庭に出て、木戸の口に立番をしていますと、旧暦の九月ももう末ですから、夜はなか/\冷えて来て、広いお庭....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。終止符に達する前に、法水は扉を閉じて側の召使に訊ねた。 「君は、いつもこうして立番しているのかね」 「いいえ、今日が初めてでございます」と召使自身も解せぬらし....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
受けたのは三、四日前の夜だった。岸本は石子刑事が未だ所謂官服で神楽坂署内の交番で立番勤務をしていた時分に、交番の近所にいた不良中学生だった。眉の濃いきりっとした....
一坪館」より 著者:海野十三
みんな遠くへ逃げさってしまったのだ。 交番も焼けてしまって、わずかに残ったのは立番所の箱小屋の外がわだけで中にはお巡りさんの姿もない。焼けた電話機の鈴とマグネ....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
呼子にて同僚を集め、四人ばかりにて其の場へ駈附け、裏口台所口桟橋の出口へ一人ずつ立番をして居り、一人が表口からズーッと這入り、段々取調べると、 幸「今年十六才に....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
宜い、師匠何をして居るのだ」 馬「へい、襖を閉切っていきれるから斯う枕元に立って立番をしているので、これから縁側へ整然とお湯を持って行くんだ、何うです今夜は一と....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
らは何日間も男や女の後《あと》をつけてみたり、町角や木戸口に寒い雨の降る晩数時間立番をしてみたり、小僧に金を握らしたり、辻馬車屋や徒僕を煽《おだ》てたり、女中を....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
★ 私は一九五〇年四月十五日という土曜日に、許可を得て、新宿駅前の交番に立番し、つづいて上野公園の西郷さんの銅像下の交番に詰め、お巡りさんの案内で、上野....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
それでもなかなか大きなもので三丁四面余あります。その屋敷の大門の片脇には兵士が立番をして居る。その大門から砥石のような広い段垂の道を登り形に行くこと二丁余り、....
女強盗」より 著者:菊池寛
して、五度十度と仕事に加わった。刀を持って内へ押入る組になったり、弓を持って外で立番する組にもなった。どちらの組に加っても、相当な働きをした。すると、女がある日....
すみだ川」より 著者:永井荷風
》に煩《うるさ》く付き纏《まと》って乗車を勧《すす》めている。長吉はいつも巡査が立番《たちばん》している左手の石橋《いしばし》から淡島《あわしま》さまの方までが....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
でも白粉刷毛まで御亭が叩いてやるんだそうだよ。」 「へへえ。」 「そして湯殿の御立番でさ。」 「いよういよう。」 笛の音いろが消えかかった。 「やぁ、はぁ、こ....