立直る[語句情報] » 立直る

「立直る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立直るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
に、突のめるように、お辞儀をして、 「真平御免ねえ、はははは。」 主税は窓から立直る時、向うの隅に、婀娜な櫛巻の後姿を見た。ドンと硝子戸をおろしたトタンに、斜....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
気の沈んだことはない。まるで生殺しに会うているようじゃ。死ぬものなら死ぬように。立直るものならそのように、早うどちらかへ片がつかねばやり切れぬ、とこのように申し....
天守物語」より 著者:泉鏡花
童一 知らん。 女童三 べいい。(赤べろする。) 朱の盤 これは、いかな事――(立直る。大音に)ものも案内。 薄 どうれ。(壁より出迎う)いずれから。 朱の盤 ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
取って肩よりして自ら喉に結ぶ、この結びめ、左右一双の毒竜の爪なり。迅速に一縮す。立直るや否や、剣を抜いて、頭上に翳し、ハタと窓外を睨む。 侍女六人、斉しくその左....
薬草取」より 著者:泉鏡花
擦抜けたその片足も葎の中、路はさばかり狭いのである。 五尺ばかり前にすらりと、立直る後姿、裳を籠めた草の茂り、近く緑に、遠く浅葱に、日の色を隈取る他に、一|木....
夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
|色沮みて茫然たり。 晃 一人は遣らん! 茨の道は負って通る。冥土で待てよ。(と立直る。お百合を抱ける、学円と面を見合せ)何時だ。(と極めて冷静に聞く。) 学円....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
くと、いつの間にか、足もやや近づいて、帽子に手を掛けていた極の悪さに、背を向けて立直ると、雲低く、下谷、神田の屋根一面、雨も霞も漲って濁った裡に、神田明神の森が....
木の子説法」より 著者:泉鏡花
、世の中一般に、頭に被るものと極った麦藁の、安値なのではあるが夏帽子を、居かわり立直る客が蹴散らし、踏挫ぎそうにする…… また幕間で、人の起居は忙しくなるし、....
露肆」より 著者:泉鏡花
、悵然として仰反るばかりに星を仰ぎ、頭髪を、ふらりと掉って、ぶらぶらと地へ吐き、立直ると胸を張って、これも白衣の上衣兜から、綺麗な手巾を出して、口のまわりを拭い....
青春論」より 著者:坂口安吾
立派なことだから後悔しないと云うのではない。愚かだけれども、後悔してみても、所詮立直ることの出来ない自分だから後悔すべからず、という、いわば祈りに似た愚か者の情....
モンアサクサ」より 著者:坂口安吾
は結構で、なんといっても、古い根のある土地柄だから、心機一転、身構えを変えれば、立直るだけの素質はそろっている。 だが、浅草というところは、これぐらい気軽に酒....
男女の交際について」より 著者:坂口安吾
かということが常に各人の問題となるのである。 日本のような貧乏国では、これから立直るにしても、決して各人が余裕ある生活などはできないだろう。その我々が生活程度....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
、あそこまで、立直ったのですもの、気持をくさらせて投げてしまわなければ、あなたは立直る実力があるのね。そこまでは証明ずみですから、今度はその先をガンバッてごらん....
母の上京」より 著者:坂口安吾
さに儲けた仕事が手蔓になつて、闇屋をやり、その景気が封鎖の直前ごろまでつゞいた。立直るといつても、元々好かない女房だ。気のすゝまぬのも尤もで、その女房への気兼ね....
ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
で来たが一向行われ無い。寧ろカジノは国内に増すばかりである。「世界大戦後の財政の立直るまで」と云い訳して来た財務当局の口実も意味をなさぬ今日に於ては、なおその正....