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立石
「立石〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立石の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「心中」より 著者:森鴎外
ごうと鳴って、だだだあと云う音がした。雪のなだれ落ちた音である。多分庭の真ん中の
立石《たていし》の傍《そば》にある大きい松の木の雪が落ちたのだろう。お松は覚えず....
「蘆声」より 著者:幸田露伴
別荘地的の光景を存していたのだから、まして中川沿い、しかも平井橋から上の、奥戸、
立石なんどというあたりは、まことに閑寂なもので、水ただ緩やかに流れ、雲ただ静かに....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
っている。 しかし、これは、ずっと後の話で、在学中に、一番花々しかったものは、
立石美和の一派で、角帯に、時として前掛けをしめたりしていたが、細田源吉が、苑雪次....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
(蛙)が三つでみひょこ/\(三匹が動く態)はと(鳩)ポッポ(鳴き声)にたていし(
立石)いしどうろ(石灯籠)こぞう(小僧)がこけ(転)ているかい(貝)つく(突)/....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、昔|気質の堅い御仁、我等式百姓に、別荘づくりは相応わしからぬ、とついこのさきの
立石在に、昔からの大庄屋が土台ごと売物に出しました、瓦ばかりも小千両、大黒柱が二....
「花を持てる女」より 著者:堀辰雄
いた。 そのあいだに、私たちはいろいろな人たちの見舞をうけた。父方の、四つ木や
立石《たていし》の親戚《しんせき》の人々もきた。私の小さい時からうちの弟子《でし....
「源氏物語」より 著者:紫式部
た。そうした人たちに庭の植え込みの草木を直させたりなどした。 「流れの中にあった
立石《たていし》が皆倒れて、ほかの石といっしょに紛れてしまったらしいが、そんな物....
「無題(一)」より 著者:宮本百合子
時目の前にもう村の入口が見えました。白い小犬の姿は見えませんでした。詩人はそこの
立石のわきに腰をおろして汗をぬぐいながらいつの間にか、初夏の装をした村の様子を見....
「発明小僧」より 著者:海野十三
広告第一一六七七号(類別第一十五類五、銃弓及射的玩具)――出願人、東京府下本田村
立石、×田×次郎氏。 「登録の請求範囲」というのを見ると、パチンコの構造というの....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
井《ひらい》の洲。川のむこうはもう葛飾《かつしか》で、ゆるい起伏の上に、四ツ木、
立石《たていし》、小菅などの村々が指呼《しこ》される。 ようやく東が白んだばか....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
暮春、わずかに吉原のおいらん道中を街上に仰いだだけで、春情鳩の街も知らなければ、
立石や亀有の灯を慕ったこともない。だから、今の私には、「特飲街の探訪」と聞くだけ....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
もなく御用の声を聞いた。 翌る十二日の槍祭、お米蔵は三吉の渡し、松前志摩殿の切
立石垣《きりだていしがき》に、青坊主の水死人が、それこそ落葉のように笹舟のように....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
す。日向の飯野郷というところでは、高さ五|尋ほどの岩が野原の真中にあって、それを
立石権現と名づけて拝んでおりました。そこから遠くに見える狗留孫山の絶頂に、卒都婆....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
て二度三度は気がつかずに、過ぎてしまいそうなのは、私のこれから言おうと思う路傍の
立石、道祖神とか二十三夜の石塔とかの類で、これは今まで立ち止まって、どうしてこん....