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立脚地
「立脚地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
立脚地の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「草枕」より 著者:夏目漱石
水を刻画《こくが》して壺中《こちゅう》の天地《てんち》に歓喜すると、その芸術的の
立脚地《りっきゃくち》を得たる点において全く等しいと云わねばならぬ。この点におい....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
く思ったに相違ない。彼は数年の後当時を回顧して、こう云っている。 「殊に予は予の
立脚地として、社会公衆の前に訴うべき一事があるのである。それは裁判法廷に於て、牧....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
て主張するのだ。またわれらの生も一面から見れば一つの「ザイン」である。刹那主義の
立脚地はここにあるかもしれない。混沌の境に彷徨する私はともすればこうした生活に引....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
題にはなし得ないのである。 併し今日と雖もブルジョア哲学者又はブルジョア哲学に
立脚地を求める自然科学者の内に、自然哲学の建設を企てる者は少なくない。それに、批....
「作品の倫理的批評」より 著者:豊島与志雄
いるかどうかに就いては、私は随分疑問を持っている。勿論作家と批評家とは可なり異る
立脚地に立つものであるが、問題が倫理的の範囲内に止まる場合には、この言は正当に許....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
に笑った。彼らは間違いない意見をいだき得るとは自信していなかった。そしていかなる
立脚地に立っていいかわからなくなったので、リーリ・ラインハルトはすべてを非難しよ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
という一図な欲求をもっていて、自分の道徳上の命令を寸断し粉砕していた。彼は細君の
立脚地を覆《くつが》えしてることには気づかなかった。残酷なまでに細君を落胆さして....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を差し控えよう。われわれはただ叙述者に過ぎない。われわれはジャン・ヴァルジャンの
立脚地に身を置き、彼の印象を紹介するに止めよう。
自我脱却の崇高なる頂、およそ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
らの中では新参だ。しかし僕は君らを見て驚いたと言わざるを得ない。いったいわれらの
立脚地はどこにあるのか。いったいわれらは何者なのか。君らは何人《なんぴと》か。僕....
「方則について」より 著者:寺田寅彦
間にか科学の領域を逸する虞がある。この意味の危険を避けるために、どこまでも科学の
立脚地たる経験的事実を見失わぬようにしなければならない。論理の糸を手繰って闇黒な....
「現代美学の危機と映画理論」より 著者:中井正一
ルムである。そこではもはや描くものの主観がなくなっている。主観の崩壊は、美学論の
立脚地を失っているのである。 しかし、この世紀の初頭にあたって映画が非芸術とさ....
「緑色の太陽」より 著者:高村光太郎
って居るのを見てもわかる。僕はその地方色というものを無視したいのである。芸術家の
立脚地に立って言をなして居る事はいうまでもない。 人が「緑色の太陽」を画いても....
「久野女史をいたむ」より 著者:兼常清佐
はまだ多少学ぶべき余地もあったであろう。ましてピアノ音楽史上の思潮を考え、自分の
立脚地を明かにする事については、更に幾多の研究を要したであろう。 例えばベート....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
と云う奴が始末におえなくって、
己にひどい苦労を掛けやがる。
ここに来て始て己の
立脚地が
ぐらついて来たぞ。
極端自然論者
己は嬉しがってここに来ていて....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
。ここに於いてか有為の才を抱いたものは、町人・百姓の間に紛れこんで、そこに自分の
立脚地を得ようとする。素性を隠して武家奉公や、下女下男奉公するものも出て来る。品....