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「立腹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

立腹の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
俊寛」より 著者:芥川竜之介
と云うのもある。おれはさぞかし康頼も、喜ぶじゃろうと思うたが、――」 「それは御立腹なすったでしょう。」 「康頼は怒るのに妙を得ている。舞《まい》も洛中に並びな....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ると、民子はいつでも、すくすく泣いている声がしていたというので、今度は母が非常に立腹して、お増と民子と二人呼んで母が顫声《ふるえごえ》になって云うには、 「相対....
婦系図」より 著者:泉鏡花
通れやしないわね。」 「ああ、もしもし、」 主税は身を躱して通しながら、 「御立腹の処を重々恐縮でございますが、おついでに、手前にも一杯、同じく冷いのを、」 ....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
易に口出しもせぬ。そういう人であるから、自分の言ったことが、聞かれないと執念深く立腹する。今おとよの挨拶ぶりが、不承知らしいので内心もう非常に激昂した。ことに省....
深夜の市長」より 著者:海野十三
まだその上に恥を掻きたいかッ」などと相変らぬ野次が飛んだ。 黒河内総監は、別に立腹の模様もなく、入口の方に向って手をあげた。すると合図に応じて、一隊の警官隊が....
階段」より 著者:海野十三
一人その時刻に階段を降りたというものはなかった。僕は自分にかけられた濃厚な嫌疑に立腹し、どうにかして犯人をつきとめてやりたいものと思い、自分だけでは素人探偵にな....
蠅男」より 著者:海野十三
に、あっちへ行ったり、こっちへ来たりして気ぜわしそうに歩きだした。 糸子の立腹 帆村探偵は、どんなにして次の朝を迎えたのかしらない。 とにかく彼が、室....
すり替え怪画」より 著者:海野十三
てくれ。なに構わんから」 「焼き捨てろと仰有いますか。それはまことに――いや、御立腹はご尤もであります。御下命によりまして早速お目通りからこの珍画を撤去いたしま....
金属人間」より 著者:海野十三
実力で、必要とするものをさがし出して持っていくばかりだ」 怪《あや》しい客は大立腹《だいりっぷく》らしく、声をあらげて叫んだ。と、かれの頭巾《ずきん》が、ひと....
地獄の使者」より 著者:海野十三
邸へ入って来るところも、出て行くところも見て知っていたんだな」 と、大寺警部が立腹して怒鳴った。 「いいえ、いいえ。私が見ましたのは昨夜のことではなく、あの娘....
火薬船」より 著者:海野十三
奴はカンバスの下に野菜と一緒になってかくれていたんですよ。ところが虎船長、大の御立腹ですわい。いまも船からの信号で、竹の手足をしばってつれもどれとの厳命ですぜ。....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
そうに、ビシャビシャと竹の尖を振うのは勿体ない。大慈大悲の仏たちである。大して御立腹もあるまいけれども、作がいいだけに、瞬もしたまいそうで、さぞお鬱陶しかろうと....
人造物語」より 著者:海野十三
らないが、若し同じ考えをお持ちならば、僕の画いた挿絵は、すくなくとも氏を二三日|立腹させて置くに充分だったろうと思い、妙な場所柄ではあるが、ここに謹んで、お詫び....
式部小路」より 著者:泉鏡花
居ですると、鎮西八郎|為朝が凧を上げて、身代りの鬼夜叉が館へ火をかけて、炎の中で立腹を切った処でさ。」 「ああああ、」と束ね髪が少し動いて頷く。 「月に一度、霊....
青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
ところへ、そんな打ちこわしの手紙なんか出されたんで困っているんですの。――決して立腹しないから真実のところを打ち明けてくれ、と、パトロンは頻りに妹を責めるので、....