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竜宮
「竜宮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
竜宮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「少年」より 著者:芥川竜之介
太郎」は一冊の中《うち》に十《とお》ばかりの挿絵を含んでいる。彼はまず浦島太郎の
竜宮《りゅうぐう》を去るの図を彩《いろど》りはじめた。
竜宮は緑の屋根瓦に赤い柱の....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
、器もいずれ可愛いのほど風情があって、その鯛、鰈の並んだ処は、雛壇の奥さながら、
竜宮を視るおもい。 (もしもし何処で見た雛なんですえ。) いや、実際|六、七....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いら。 お蔦と二人が、毒蛇になって、可愛いお妙さんを守護する覚悟よ。見ろ、あの
竜宮に在る珠は、悪竜が絡い繞って、その器に非ずして濫りに近づく者があると、呪殺す....
「春昼」より 著者:泉鏡花
婦人が見つかりましたね。」 「それは見ることは誰にでも出来ます。美しいと申して、
竜宮や天上界へ参らねば見られないのではござらんで、」 「じゃ現在いるんですね。」....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
まする。」と、ひたりと直って真魚箸を構えた。 ――釵は鯉の腹を光って出た。――
竜宮へ往来した釵の玉の鸚鵡である。 「太夫様――太夫様。」 ものを言おうも知れ....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
、魔界といった工合で……どんなか、拍子で、この崖に袖の長い女でも居ようものなら、
竜宮から買ものに顕われたかと思ったもので。――前途の獅子浜、江の浦までは、大分前....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
で、固くなった耳の底で、天の高さ、地の厚さを、あらん限り、深く、遥に、星の座も、
竜宮の燈も同一遠さ、と思う辺、黄金の鈴を振るごとく、ただ一声、コロリン、と琴が響....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
…松並木を向うに見て、松毬のちょろちょろ火、蛤の煙がこの月夜に立とうなら、とんと
竜宮の田楽で、乙姫様が洒落に姉さんかぶりを遊ばそうという処、また一段の趣だろうが....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
!) と矢声を懸けて、潮を射て駈けるがごとく、水の声が聞きなさるる。と見ると、
竜宮の松火を灯したように、彼の身体がどんよりと光を放った。 白い炎が、影もなく....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
いったわけです。 その中のお職だ、貴方。何しろ大阪じゃ、浜寺の魚市には、活きた
竜宮が顕れる、この住吉の宝市には、天人の素足が見えるって言います。一年中の紋日で....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
目前に顕われました。ところがさ、商売柄、ぴかぴかきらきらで、廓の張店を硝子張の、
竜宮づくりで輝かそうていったのが、むかし六郷様の裏門へぶつかったほど、一棟、真暗....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
これからはよくその事を弁えて、あの竜神様のお宮へお詣りせねばならぬ。又機会を見て
竜宮界へも案内し、乙姫様にお目通りをさしてもあげる。』 お爺さんのお話は、何や....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
れません。桜貝、阿古屋貝、撫子貝、貝寄の風が桃の花片とともに吹くなどという事は、
竜宮を疑わないものにも、私ども夢のように思われたもので。 可心も讃嘆しています....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ものの女ですっさ。其奴を煽がされるなんて可哀相じゃアありませんか。 いいえね、
竜宮の乙姫てえ素ばらしいのだって、蜈蚣にゃあ敵いませんや、瀬多の橋へあらわれりゃ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
のが、尺まわりの円形の釣香炉でしたとさ。地の総銀一面に浮彫の波の中に、うつくしい
竜宮を色で象嵌に透かして、片面へ、兎を走らす。……蓋は黄金無垢の雲の高彫に、千羽....