童女[語句情報] » 童女

「童女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

童女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
おぎん」より 著者:芥川竜之介
か、とにかく遠い昔である。 やはり浦上の山里村《やまざとむら》に、おぎんと云う童女が住んでいた。おぎんの父母《ちちはは》は大阪《おおさか》から、はるばる長崎へ....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
味わないではいられなかった。殊に彼を尊敬する一団の若者たちに接する時は、ほとんど童女にでも似つかわしい羞恥《しゅうち》の情さえ感じ勝ちであった。これが彼の味方に....
或る女」より 著者:有島武郎
た。そしてそのみじめな赤ん坊は乳母の手一つに育てられて定子《さだこ》という六歳の童女になった。 その後葉子の父は死んだ。母も死んだ。木部は葉子と別れてから、狂....
或る女」より 著者:有島武郎
切りつめて、横のほうに深紅《しんく》のリボンが結んであった。それがこの才はじけた童女を、膝《ひざ》までぐらいな、わざと短く仕立てた袴と共に可憐《かれん》にもいた....
富士」より 著者:岡本かの子
きた。 「福慈の女神はだんだん若くなるようである」と旅人たちはいった。七つ八つの童女の容貌を持ち、ただその儘《まま》で身体は大きい。怒るときは、山腹にかみなり稲....
クララの出家」より 著者:有島武郎
の間に顔を埋めた。 泣いてる中にクララの心は忽ち軽くなって、やがては十ばかりの童女の時のような何事も華やかに珍らしい気分になって行った。突然華やいだ放胆な歌声....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
なければならない……小初は心づかれが一身に担い切れない思いがする。父は娘を神秘な童女に思い做して、自家|偶像崇拝慾を満足せしめたい旧家の家長本能を、貝原との問題....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
るし、何か大きな力に操られながら、その傀儡であることを知らないで無心で動いている童女のようにも真佐子が感ぜられるし、真佐子を考えるとき、哀れさそのものになって、....
食魔」より 著者:岡本かの子
ののようにも感じられた。とうとう彼は雑談の環の中から声を皮肉にして詰った。夫人が童女のままで大きくなったような容貌も苦労なしに見えて、何やら苛め付けたかった。 ....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
夜更けのような濃い闇の色は、硝子窓を鏡にして、かの女の顔を向側に映し出す。派手な童女型と寂しい母の顔の交った顔である。むす子が青年期に達した二三年来、一にも二に....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
した嫌味な悪どい、無教養な粗暴な、而かもやり切れない存在だ。 ――でもパパは、童女型だの、小児性夫人だのってカチ(逸作はかの女を斯う呼ぶ)を贔屓にするではない....
方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
込もうにも、暈やっとした大人の世界である。 やがて、末起にも訪れるものが来た。童女期から、大人へ移ろうとする境界に立って、郷愁のような遣る瀬なさ、あまい昏惑の....
多神教」より 著者:泉鏡花
狗。(丁々坊)巫女。(五十ばかり)道成寺の白拍子に扮したる俳優。一ツ目小僧の童男童女。村の児五、六人。 禰宜 (略装にて)いや、これこれ(中啓を挙げて、二十五座....
山吹」より 著者:泉鏡花
料理屋「ゆかり」の娘。 辺栗藤次(六十九)門附の人形使。 ねりものの稚児。童男、童女二人。よろず屋の亭主。馬士一人。 ほかに村の人々、十四五人。 候 四月下旬....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
し。また、コックリ様は女子を好むなどと申して、三人のものも一人の崇敬者も、ともに童女を用うるをよしという。 そのほか、肥前国|西彼杵郡高島村、吉本氏より報知せ....