童貞[語句情報] »
童貞
「童貞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
童貞の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
えると、その時の己の心もちには不純なものも少くはない。己は袈裟に何を求めたのか、
童貞だった頃の己は、明らかに袈裟の体を求めていた。もし多少の誇張を許すなら、己の....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
うに、この黒檀《こくたん》の麻利耶観音へ、こんな願《がん》をかけ始めました。
「
童貞聖麻利耶様《ビルゼンサンタマリヤさま》、私が天にも地にも、杖柱《つえはしら》....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
宗教上の問題には、ほとんど一つも触れていない。
それがウルスラ上人と一万一千の
童貞《どうてい》少女《しょうじょ》が、「奉公の死」を遂げた話や、パトリック上人の....
「或る女」より 著者:有島武郎
細目にあけて手をならした。
葉子はその晩不思議に悪魔じみた誘惑を古藤に感じた。
童貞で無経験で恋の戯れにはなんのおもしろみもなさそうな古藤、木村に対してといわず....
「或る女」より 著者:有島武郎
屋《へや》を出て行った。
葉子はそのすきに岡の顔を見た。それはまた無垢《むく》
童貞の青年が不思議な戦慄《せんりつ》を胸の中に感じて、反感を催すか、ひき付けられ....
「星座」より 著者:有島武郎
る話題は一つとして園の生活の圏内にはいってくるような性質のものではなかったから。
童貞でありながら園は女性に対してむだなはにかみはしなかった。しかし相手がはにかむ....
「『聖書』の権威」より 著者:有島武郎
読む時に、今でも驚異の眼を張り感動せずに居られません。然し今私は性欲生活にかけて
童貞者でないように聖書に対してもファナティックではなくなりました。是れは悪い事で....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
将門の娘|瀧夜叉姫よりも、この尼の生涯の方が詩趣もある、哀れも深い。 尼は清い
童貞の一生を送ったと伝えられる。が、わたしはそれを讃美するほどに残酷でありたくな....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
と化して放射されるのではないかと思われてくると、――ああ、ダンネベルグ夫人はその
童貞を讃えられ、最後の恍惚境において、聖女として迎えられたのであろうか――と、知....
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
道僧らしい画像があったよ。」検事が合槌をうつと、 「ウン、そこでだ。ジナイーダが
童貞女生活のうちに、どの程度までこの一派の修道を積んだか? また、なぜ嘘を云わね....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
気、一味の野性、休火山のような抑えられた情火、これが彼の本態であった。しかし彼は
童貞であった。どうして直接に思うことを思う女へ打ち明けられよう。 で、二人は黙....
「方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
れに何故、女が女を愛してはいけないというのだろうか。此処でふたりの少女が、永遠の
童貞を誓うのに……。 方子は、口をとがらせ、うっとりと抗議を呟いた。腹んばいの....
「火の扉」より 著者:岸田国士
でも、純潔づらをして、その実、純潔でもなんでもない男がいる。あるいは、自分が偶然
童貞であることを純潔のしるしのように思い込んでいるきたならしい男もたくさんいる。....
「光は影を」より 著者:岸田国士
心したんだ。まあ、そいつは、それだけの話だが、おれも、こう見えて、まだ精神的には
童貞だぜ。うそじやねえ。女に縁がないつていうのは、このおれのこつた。どうも、つぎ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
げよう。この人は嬉しがるに相違ない。妾がこの人を嬉しがるように。……まだこの人は
童貞らしいよ。まだこの人は女子の肌の、胸から下を見ていないよ。この人の心は顔立ち....