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竦然
「竦然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
竦然の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「光の中に」より 著者:金史良
あっと悲鳴を上げてたじろいだ。駆けて行って見れば、扉は倒れ雨と風の中に山田春雄が
竦然として立っていた。折も折、稲光りがぴかぴか光ってそれは幽霊のようにおののいて....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
態性慾者かないしは先天的犯罪人が、時あって洩らす残忍の笑いで、さすが豪勇の信玄も
竦然としたということである。 「信玄公の坊主頭、あの時はよっぽど驚いたと見える」....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
きッと、睨《ね》めすえるようにして、言い放つ、浪路の目つきに触れると、甚太郎は、
竦然《しょうぜん》と、肌が、粟立つのをすらおぼえるのだ――
――おお、何という....
「私の感想」より 著者:宮本百合子
、その男は自分の女房をなぐったのであった。 そのひとはそういう今日の人の気風に
竦然《しょうぜん》としたと語った。 小田急の電車の中で、パーマネントの若い女の....
「「健やかさ」とは」より 著者:宮本百合子
いショールだのが算を乱していたという記事は、その場に居合わせなかった私たちにも、
竦然《しょうぜん》とした感じで生々しい。 私たち誰でもが昨今のひどい人出の混雑....
「地球要塞」より 著者:海野十三
総司令部の波長帯を妨害して、通信をさせまいと努めている者があるのである。 私は
竦然《しょうぜん》とした。 総司令部の波長帯が知られてしまい、そこに妨害電波が....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
不明」 こういう記事が書いてあった。 「少し事件は悪化したな」 さすがに私は
竦然とした。 「彼女の仕業ではあるまいか?」 ふと私はこう思った。 「昨日の佐....
「生不動」より 著者:橘外男
た私の手に、突然袖口から金氷のように冷たい物が触ってきた。場合が場合だけに思わず
竦然として振り向いたが、そこには君太郎が大きな眸に涙を一杯溜めて、訴えるように私....
「墓が呼んでいる」より 著者:橘外男
」 と、妹娘の脚の下に、長々と蹲っている巨大な犬を眺めながら、私は今更のように
竦然としました。 「どこで、生まれたんですか? 僕も、こういう奴を飼いたいな……....
「葛根湯」より 著者:橘外男
バリと掻き破りながら、長椅子の上にのた打っているグスタフを見ていると、私も思わず
竦然と身震いがした。万一そんなことがあろうとは思われぬが、もしや私のやった葛根湯....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
で己はいじけて孤立している。
門ががたりと云う。そして誰も這入っては来ぬ。
(
竦然として。)
誰かいるのか。
憂
そのお尋には否とは申さ....
「死児を産む」より 著者:葛西善蔵
夕方近くなって机に向ったのだったが、年暮れに未知の人からよこされた手紙のことが、
竦然とした感じでふと思いだされて、自分はペンを措いて鬱ぎこんでしまった。 それ....