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竪琴
「竪琴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
竪琴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
紅花は余りに紅なり。 桂枝は余りに匂ひ高し。 ソロモンはこう歌いながら、大きい
竪琴を掻き鳴らした。のみならず絶えず涙を流した。彼の歌は彼に似げない激越の調べを....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
談じゃない。音楽は独逸の美術なり――と云うぜ。この館では、あの伸子という女さえ、
竪琴を弾くそうなんだ」と法水は、さも驚いたような表情をして、「それに、不可解きわ....
「恐竜島」より 著者:海野十三
沼畔《ぬまほとり》に、ツルガ博士親子が身体をぴったりよせあっている。そして小さい
竪琴《たてごと》を、ぽろんぽろんとしずかに弾いているのだった。それはいいが、二人....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
と、そのうちの一本がぐにゃぐにゃと下りてきて、垂直に立つ他の二本の触角を、まるで
竪琴の絃をはじきでもするかのように、ぽろんぽろんとはじいた。音が出たにちがいない....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
ヌのなかにもおみちの平凡なあどけなさとは違った特色の魅力となって人にせまる。声は
竪琴にでも合いそうにすき透っていた。そして位をもちつゝ行届いたしこなしに、斜に向....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
た手のひらで彼のむらさき色の大きな手を撫でていた。 やがて鼓や笛や、六絃琴や、
竪琴で音楽が始まると、マリーとマルタの家はまるで蜂や、蟋蟀や、小鳥の鳴き声で掩わ....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
もう一方は真上を向いているのです。上衣は、太陽、月、星などの模様に、提琴、横笛、
竪琴、喇叭、六弦琴、そのほか、いろんな珍しい楽器の模様を交ぜています。それから、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
所では、われわれが小さい声で話している時に、電信線が風にうなるのを聞くと、まるで
竪琴を乱暴に鳴らしているように響きますからね」 彼はそれに逆らわなかった。二人....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
みせながら私の頸を抱いたのです。 「ああ、あなたはロミュオーさま……」 彼女は
竪琴の音の消えるような優しい声で、ゆるやかにささやきました。 「どこかお悪かった....
「博物誌」より 著者:岸田国士
、ちゃんと自分の身につけて持っている。愛情がその彩色の輝きを増し、帽子の羽飾りは
竪琴のように震えている。 花嫁は来ない。 彼は屋根の頂に登り、じっと太陽の照....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
のですが、また海そのものでもあったのですわ。 ああ貴方! あの日に、貴方という
竪琴の絃が切れてからというものは……それからというもの……私は破壊され荒され尽し....
「怪談綺談」より 著者:小酒井不木
の落ちる音さえはっきり聞えたが、突然二人の耳に美しい音楽が聞えて来た。それは恰度
竪琴のような楽器の音で二人はいつの間にか微妙な曲調に魅せられて手を休めてうっとり....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
人を弔う鐘、遂げられざる恋の憂いを洩らす憐のバイオリン、悪魔の誘惑を意味する銀の
竪琴、騎士の吹く角の笛、楯につけたる鉄と真鍮の喇叭、そして波も松風も嘶く駒も、白....
「黒い塔」より 著者:小川未明
として、一|段一|段上へと登ってゆきました。姫は、日ごろ自分の心を慰める、小さな
竪琴を携えてゆくことを忘れませんでした。これだけは、つねに姫の仲のよい友だちであ....
「はつ恋」より 著者:神西清
小説をもって、我々をもてなした。そこには、アーチ形の古めかしい墓穴が出てきたり、
竪琴を抱いた天使が現われたり、物を言う花だの、はるかに漂ってくる楽の音だの、たい....