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「競い合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

競い合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新生」より 著者:島崎藤村
せないものかねえ」と岸本が言出した。 七十七 一切のものの競い合う青春が過ぎ去るように、さすがに若々しく見える客も時の力を拒みかねるという....
鵜飼」より 著者:横光利一
が、一人のものが十二羽の鵜の首を縛った綱を握り、水流の波紋と闘いつつ、それぞれに競い合う本能的な力の乱れを捌き下る、間断のない注意力で鮎を漁る熟練のさ中で、ふと....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
村民は声を揚げ、太い綱でそれを引き合いはじめた。 「よいよ。よいよ。」 互いに競い合う村の人たちの声は、荒町のはずれから馬籠の中央にある高札場あたりまで響けた....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
引きずられるようにしてこの街道を踏んで行った。いかに王師を歓迎する半蔵でも、その競い合う足音の中には、心にかかることを聞きつけないでもない。 「彼を殺せ。」 ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
り、羽ぶりのよい官員や実業家と肩をならべて、権妻でも蓄えることを男の見栄のように競い合う人たちだからであった。東京の方に暮らした間、旦那はよく名高い作者の手に成....
秋草」より 著者:島崎藤村
った。今朝も、わたしの家では、十八九輪もの眼のさめるようなやつが互の小さな生命を競い合うように咲いている。これから追々と花も小さくなって、秋深い空気の中に咲き残るのもまた捨てがたい風情があろう。....
私本太平記」より 著者:吉川英治
、秘蔵の馬にまたがって、霞のごとき布陣をなし、“調馬始め”“弓始め”などの武風を競い合うのが、つまり初春は二十日の七里ヶ浜大馬揃いなのである。 各家の紋を打っ....